りっぱなパパになるぞ![★★★]
[初出誌] 『のび太のゆくすえ』、「小学六年生」1977年3月号、10頁、61コマ
[単行本] 『りっぱなパパになるぞ!』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第16巻」1979年1月25日 初版第1刷発行、12頁、76コマ
[大全集] 『りっぱなパパになるぞ!』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 4」2009年12月30日 初版第1刷発行、12頁、76コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『のび太のゆくすえ』が『りっぱなパパになるぞ!』に変更
「ストップ!」コマ挿入[587(5)]
「そのへんでやめときな」、「どうして?」コマ挿入[587(6)]
「りっぱすぎる決心は、きっと三日ぼうずになるから」、「ばかにするな!」コマ挿入[587(7)]
「13階の68号室」が「十二階の六十八号室」に変更[588(2)]
「ノビスケの日記か」、「親は子どもが何を考えているか知る必要がある」コマ挿入[591(6)]
「のび太って……」コマ挿入[592(5)]
「そうか!思い出した。子どものころ未来の自分に会ったっけ」コマ挿入[592(6)]
「そうか!思い出した。そういえばこんなこともあたっけ」、「なつかしいなあ」コマ削除[44(3)]
「なつかしいなあ」、「ブチャ」コマ挿入[592(7)]
「せっかく来てくれたんだ」、「今夜はおおいに飲もうや」、「はなしてよ、よっぱらいは大きらいだ」コマ挿入[593(1)]
「子どものぼくは大決心をしたのに、おとなのぼくがちっとも守ってない!」コマ挿入[593(3)]
「すまん!」、「ゆるしてくれ…」コマ挿入[593(4)]
「…………しかし!」コマ挿入[593(5)]
「じゃあ、いつになったらりっぱなおとなになれるの?」、「さあね…」、「ひょっとして一生今のままかもね」コマ挿入[593(8)]
「しっかりやろうね、おたがいに」コマ挿入[594(5)]
「あなた、おねぼうして会社に遅刻しても知らないわよ!」コマ挿入[594(6)]
「文字なし」コマ挿入[594(7)]
「ぼくもがんばるぞ」が「がんばるぞ」に変更[595(1)]
「だらしないくらしをやめて、毎日きちんと勉強して」挿入[595(1)]
「しかし……」コマ挿入[5951(2)]
[梗概] 酔っぱらって帰ってきたパパを介抱しながら、のび太はどうしても欲しかったカラーテレビの購入をお願いした。すると、パパは酔いから醒めたように「子どもがいつまでおきてるんだ、ねなさい! きみ、このごろ成績が落ちてるぞ」、ママも「のびちゃん、いいかげんにしなさい!」と怒鳴る始末であった。
のび太は「かってだよ、自分がおそくまで遊んできて」と思い、自分は将来そんな大人にならないぞと決心した。そして、「とつぜん成績のことなんかもちだして、子どもをいじめたりしないぞ! お酒なんかのむ金があったら、子どもにテレビをかってやるぞ。…やさしく理解力のある父親に」と次から次へと決心を披瀝した。
すると、押し入れで寝ていたドラえもんから「りっぱすぎる決心は、きっと三日坊主になるから」、そのへんでやめときなと言われた。しかしながら、のび太は「タイムマシン」に乗って、25年後素晴らしいパパに変身している自分の姿を、確認に出掛けずにはいられなかった。
のび太は酔っぱらってしずちゃんの介抱を受けている25年後の自分の姿を見て愕然とした。「子どものぼくは大決心したのにおとなのぼくがちっとも守っていない!」と抗議すると、25年後ののび太青年から、「それはむりというもんだぞ。
今の自分をふりかえってみろ。たいした努力をしないである日突然えらい人になれると思う?」と逆に反論される始末であった。そして、「失敗しては反省し、また失敗して反省し…。そのくり返しの毎日さ。なおったのは近眼だけ。…ひょっとして一生、今のままかもね」と答えるのであった。
ガッカリしてくるんじゃなかったと後悔しているのび太を見て、25年後ののび太青年は「少しずつでもましにはなってきてるから。…しずちゃんはすばらしい女性だ。ノビスケも、なまいきだけどかわいいやつだ。このふたりのためだけにでもぼくはがんばろうと思うんだよ」と励ましている。
のび太の「じゃ、やる気はなくしてないんだね」といった質問に、25年後ののび太青年は胸を張り、拳を握りながら、「あたり前さ。人生はまだまだ長いんだ。これからが勝負だよ」とキッパリ言い切っている。
帰途、のび太は「タイムマシン」に乗りながら、「よおし! がんばるぞ。だらしのない暮らしをやめて毎日きちんと勉強して」と再度決心した。
しかしながら、のび太の部屋にある「タイムマシン」の出口となっている机の引き出しから出る頃には、「毎日がんばりつづけるのはたいへんだから、一日おき…。いや、二、三日おき…。いや、やれるはんいでがんばるぞ!」と出迎えたドラえもんに誓った。ドラえもんも「うん、そのていどの決心なら守りとおせるだろう」と納得していた。
[S0472・A1604・067703]