ポータブル国会[★★★]

[初出誌] 『ポータブル国会』、「小学六年生」19771月号、10頁、69コマ

[単行本]  ポータブル国会』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第15巻」1978725日 初版第1刷発行、10頁、73コマ

[大全集] 『ポータブル国会』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 420091230日 初版第1刷発行、10頁、73コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「国鉄運賃が下がったので、くるそうだ」が「運賃が下がったので、来るそうだ」に変更[567(3)]

 「タイガー戦車のプラ模型だろ」が「タイガー戦車のプラモだろ」に変更[569(8)]

 「見てろ!」コマ挿入[571(4)]

 

「総理大臣にできないことはないのだ!」コマ挿入[571(5)]

「よおし、こうなれば、ぼくにつごうのいい法案ばかりとおしてやるぞ!!」が「せっかくみんなのためにいい政治をしてるのに!」に変更[572(9)]

 

「もう国民のことなど考えない!」、「ぼくに都合のいい法案ばかり通してやるぞ!」コマ挿入[573(1)]

「ガ~」コマ挿入[573(4)]

 

[梗概] 今年はお年玉の集まりが悪い上、たよりになる北海道のおばさんが運賃の値上げのため、来られないという電話が入ったので、のび太は「ガアン」と大きなショックを受けた。ドラえもんに値上げの件を訴えると、ひみつ道具『ポータブル国会』を出してくれた。この「国会」に法案を入れると、日本中がそれを守るようになる。

 

 「正月の間だけ運賃を値下げする法案」をこの国会に「ガチャン」と入れると、北海道のおばさんから運賃が値下げになったから、東京に行くという電話が入った。

 

  ドラえもんはこのひみつ道具は社会に大きな影響を与えるからむやみに使っちゃ困ると言っていたが、正月だから、のび太の「お年玉はひとり一万円以上子どもにやる法案」を渋々認めることにした。すると、パパはのび太とドラえもんにお年玉の足りない分を追加してくれた。

 

 のび太が総理大臣になったような気がすると大喜びしていた。のび太が二階からゴミを捨てたので、ママに耳を引っ張られて、強制的に庭の掃除をさせられることになった。しかし、のび太は「子どもに仕事をさせてはならない法案」を通して、ママに掃除をやってもらっている。

 

 広場では、みんながのび太の年賀状を見て大笑いしていた。のび太が犬山くんに出した年賀状には、太の字と犬の字があべこべに使われていたからである。「太と犬の字をとりかえる法案」をこの国会に通したので、イヌ山タロウという表札は太山犬郎にかわり、みんなを仰天させることができ、のび太ひとり悦になっている。

 

 「正月だけ物の値段を十分の一にする法案」を通したが、のび太が少しおくれて、買い物に行くと、カメラも望遠鏡も何もかも売り切れてしまっていた。頭にきたのび太は「ぼくに都合のいい法案」ばかりを次から次へとこの国会に入れると、「ガ~ カイサン」と爆発してしまった。

 

  ドラえもんから、「あまりむちゃしたら、自動的に壊れる装置がついている」と指摘されたが、後の祭りであった。

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