メカモグラ[★]
【道具解説】 『メカモグラ』は、ノビスケがパパの埋めた『タイムカプセル』を、掘り出すために使ったひみつ道具である。
【使用目的】 ノビスケは千年杉の近くに埋められた「タイムカプセル」を掘り出すために、「メカモグラ」を使っている。
【使用結果】 ノビスケは百点のテストの入ったケースを押し入れから出し、中を点検すると宝の地図らしき物が出てきた。千年杉という言葉が出ていたので、情報センターに問い質すと、ヒルトップマンションが建っている辺りだと教えてくれた。
地図を見ながら、あの辺がパパの通っていた学校で、千年杉はこっちだなと、推定しながら、「メカモグラ」で掘ると、何か「タイムカプセル」的なものを掘り当てることができた。
ノビスケが「ゴロ ゴロ ゴロ ゴロ」と自宅のマンションに転がして持ってくると、パパは以前にどっかで見たことのあるものだと思った。そこへ、二十五年前ののび太がドラえもんといっしょに、「タイムマシン」でやってきた。
そして、のび太やドラえもんから「ところであれみた? まだほりだしていないの?」と問われたので、のび太パパは「あ~っ。思い出した!!」と右拳で左掌を叩いていた。
二十五年前に、物置を掃除していたら、幼稚園のころ書いたり、作ったりした懐かしい物が次から次へと出てきた。のび太が懐かしさのあまりジーンとしたので、「いまのものをいろいろしまっといて、大人になってからとりだせるせるような」ものはないかと、ドラえもんに尋ねると、ひみつ道具『タイムカプセル』を出してくれた。
このカプセルはなんでも新しいままで保存でき、例えば、アイスクリームだって一万年もしまっておけるものである。
のび太は「毎日たべるインスタントラーメン。自作のまんが。ママのこごととパパのねごとをとったテープ。三日だけつけた今年の日記」のほかに、どうせ自分が掘り出すものと思って、たくさんの0点の答案を入れて、千年杉の根元に「タイムカプセル」と埋め、二十五年たったら掘りだそうと思った。
のび太は忘れっぽいから地図を書いておいた。「ほりだしたとき、どんな気持ちだろ。なつかしくてなつかしくて、涙ぐんじゃうかもね」と話し合ったことを思い出し、パパは「ああっしまった」と叫び、真っ赤になって「よけいなことしてくれちゃって!!」とふたりに抗議していた。
かたわらでは、ノビスケがたくさんの0点の答案を見つけ、勝ち誇って笑い転げていた。
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