名刀「電光丸」[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『名刀「電光丸」』には、レーダーが組み込まれているので、「おそってくる敵の動きをキャッチし、自動的に相手をたおす」

 

【使用目的】 剣道を始め出したジャイアンから、のび太は決闘を申しこまれた。みんなの前で「メチャ クチャ」にぶん殴るつもりなんだと泣いてドラえもんに訴えると、「名刀「電光丸」」を出してくれた。

 

【使用結果】 「名刀「電光丸」」を使えば、かならず相手に勝つことができるが、問題は相手に向かっていく勇気があるかどうかにかかっていた。のび太は勇気がないというので、タイムマシンに乗って、宮本武蔵と小次郎の決闘を見て、それを参考するために出掛けた。

 

 のび太がタイムマシンに乗っているとき、「こわいこわい」とビビッたので、タイムマシンは時代も場所もくるって到着してしまった。そこでは、ひとりの豪傑が拙者の顔を見て笑ったと、ひとりの若者をいじめていた。

 

 のび太もおもしろい顔なので、「ゲラ ガラ」と笑うと、その豪傑が鉄の棒を振りかざして追いかけてきた。のび太が逃げる途中、「ステン」と転んでしまい、豪傑が鉄の棒で襲ってきた。この時、のび太が「電光丸」を抜いて戦うと、あっという間にもの見事に豪傑を倒してしまった。

 

 これでジャイアンにも勝てる見込みがついたので、帰ろうとしていたとき、先ほどいじめられていた若者が弟子にしてくださいとついてきた。

 

 その若者は日本一の武芸者になりたいと思っていたが、生まれつき気が弱く、本物の刀を見るとすくんでしまい、みんなからばかにされていると泣きながら訴えた。ドラえもんとのび太はジャイアンの決闘があるので、かまわないで帰ろうとすると、若者は執拗についてきた。

 

 とても逃げられそうもなかったので、本当のことを話して謝るとこにした。のび太がさっき、豪傑に勝ったのはこの刀のおかげであると白状した。その若者が刀を手にとって、「まさか! うそでしょう。先生はじょうだんもおじょうずですな」と話していた。そのとき、豪傑が子分を四人したがえて、「ドドドド」と襲ってきた。

 

 ドラえもんや若者は懸命に逃げたが、電光丸をもった若者はレーダーによって、「いきたくないよお」と絶叫しながらも、豪傑たちに立ち向かうことになってしまった。豪傑が鉄の棒で「ドン」と大地を叩くと、その若者は「ヘタ ヘタ」と座り込んでしまった。

 

 しかし、いったん刀を「シャッ」と振り回すと、「ドピュッ ジャリーン ジャリン」となり、あっという間に豪傑をはじめ四人の手下をやっつけてしまった。

 

 若者は刀を掲げながら、「自信がついてきたでござる!」と言い、さらに、両手をついて「ご恩はおわすれませぬ。これから修行にはげんで強くなります」ときっぱり言い切っている。そして、「もうしおくれました。せっしゃ、宮本武蔵といいます。さらばでござる」と、その場を去って行った。

 

 タイムマシンで、のび太とドラえもんは「武蔵もはじめは弱かったんだね。自信がつくことはたいしたもんだ」という会話を交わして、帰ってきた。しかし、電光丸を持っていかれてしまったので、のび太はあれがないと勝てるわけがないと思い、あまり殴られないうちに、じょうずに負けようと言いながら、決闘の場所である空き地に向かった。

 

 ドラえもんは「さっきの自信はどうした! ここが武蔵とのび太の違いなんだな」と妙に納得してしまった。空き地に着くと、蛍光灯の下で、スネ夫が「ジャイアンならかぜひいて帰っちゃったよ」と親切に教えてくれた。

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