からだの皮をはぐ話[★★]
[初出誌] 『ダッピ灯』、「小学六年生」1976年11月号、10頁、68コマ
[単行本] 『からだの皮をはぐ話』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第14巻」1978年1月25日 初版第1刷発行、10頁、71コマ
[大全集] 『からだの皮をはぐ話』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 4」2009年12月30日 初版第1刷発行、10頁、71コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『ダッピ灯』が『からだの皮をはぐ話』に変更
「プシュー シュー」コマ削除[79(2)]
「プシュー」挿入[549(2)]
「見つけたらただじゃおかねえ」コマ挿入[549(4)]
「おれがこの手で皮をはいでやる」コマ挿入[549(5)]
「ペコッ ポコッ」、「服は?」、「絵の具でかいといてよ」コマ挿入[551(2)]
「あんなところにいやがる」削除[81(2)]
「文字なし」コマ挿入[551(4)]
[梗概] デコボコの頭をし、ぐったりして、口もきけないほど、まいってのび太が帰ってきた。その原因には絵のモデルが絡んでいた。ジャイアンの絵を見たスネ夫がいつものように調子よく、「きみは、道をまちがえている! 歌手よりも画家をめざすべきだ!」とおだてたので、その気になって、しずちゃんに絵のモデルを強引に頼み出した。
しずちゃんがいやがったので、それを見た、のび太はかわいそうになって、絵のモデルを引き受けることにした。
のび太が絵のモデルになると、クシャミしただけで、ジャイアンからものを投げられ、うまく描けないと、モデルが動くからだと怒鳴られた。何枚も何枚も「ビリ ビリ」破り、ひるめしを食ったらまたこいと命令されてしまった。
ドラえもんも、最初は「いくな、いくな」と言っていたが、のび太があとが怖いと言うと、ひみつ道具『ダッピ灯』を出してくれた。この灯で照らすと、古い皮の下に新しい皮ができて、古い皮を脱皮することができる。そして、この皮を被ると本物そっくりになる。
午後にジャイアンのところへ行き、ジャイアンが絵の構想を練っているときに、のび太は「ペコン ペコン」と自分の脱皮に空気を入れ、もうひとりののび太になってもらっている。のび太はジャイアンから「考える人」のポーズをとらされて、絵を描いてもらうことになった。
ジャイアンはやはり何枚描いてもうまくいかないので、動かなくてもうまく描けないのはモデルが悪くて、気が乗らないからだという結論になった。「なにかしゃべったらどうなんだよ!」と怒鳴っても、ないもしゃべらないので、「おれをバカにしているのか」と腹を立て、「ボカ」と殴り飛ばすと、「ピシュ」と空気が抜けて皮だけになってしまった。
「よくもだましたなっ」と怒って飛び出したジャイアンは「みつけたらただじゃおかねえ。おれがこの手で皮をはいでやる」と凄んでいた。
ドカンのある広場で、スネ夫はしずちゃんとのび太の前で、「ジャイアンの絵なんてめちゃくちゃさ。これいじょうあのひどい歌をききたくなかったので、あれだけおだてとけばとうぶん静かに絵をかいているだろ」と意気揚々と語っていた。それを耳にした、ジャイアンは「殺してやる!」と叫んで、スネ夫を追いかけだした。
スネ夫はジャイアンにしつこく追い回されているので、「ダッピ灯」でにせ物を作って、木の上にセットし、ジャイアンの目をそこへ引きつける作戦をとっていた。ジャイアンも「ダッピ灯」でにせ物を作り、木から下りられないようにセットし、今夜ひとばんたっぷりこわがらせる作戦を取ることにした。
まもなく雨が激しく降り出したので、絵の具が溶けてしまい、そばを通りかかったしずちゃんたちはこの光景を見て、「キャッ」と悲鳴を上げている。
[S0468・A1402・067611]