天気決定表[★★]

[初出誌] 『天気決定表』、「小学六年生」19769月号、10頁、63コマ

[単行本]  天気決定表』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第12巻」19761225日 初版第1刷発行、10頁、64コマ

[大全集] 『天気決定表』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 420091230日 初版第1刷発行、10頁、64コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「ばーか」が「ばあか」に変更[527(5)]

 「まもなく雨……と」、「これでよし」コマ挿入[529(6)]

 「おーい、お天気にしろ野球があるんだ」が「おおい、お天気にしろ。野球があるんだ」に変更[530(7)]

 

[梗概] 夏休みも半分終わったところで、のび太は一週間前の天候をドラえもんに思い出してもらおうとしていた。ドラえもんが「一週間前のことおぼえているもんか。日記の天気は毎日つけとくのがとうぜんだっ」と怒鳴ると、「あのなあ、ぼくにそんなことできるかどうかわかってるだろ、長いつきあいなんだから」と、のび太自身からいわれる始末であった。

 

 のび太から夏休みの後半の天気のことを思うと、目の前がくらくらすると弱音を吐くので、ドラえもんも困り果ててひみつ道具『天気決定表』を出している。この表は未来の世界では、天候は気象庁が決めるため、そのときに使うものである。

 

  したがって、ドラえもんが天候を決めることには重い責任が伴うものであると、説明しているが、のび太は「スラ スラ スイ スイ」と気楽に、夏休みの分の天候を晴れ、曇り、雨の繰り返しで決めてしまった。

 

 のび太がアイスクリームを食べていると、天気表通りになったのでとても感激している。しかし、あまりきちんとしててもへんだから、三日間雨が降り続くように変更した。

 

  外に出ると、しずちゃんがボンヤリしていたのでその理由を尋ねると、春頃から予約していたキャンプに、きょうから二泊の予定で出掛けるのだけれども、雨が降り続くなんてあんまりだと泣き出してしまった。

 

なんとかするといって、効き目百パーセントのテルテル坊主を手渡した。すると、ジャイアンやスネ夫から「ばあか。いいとしして」と言われながら、「ハハハ フフフ」と大笑いされてしまった。早速、家に帰って、天気表を三日間快晴にしたので、あとでしずちゃんにとても感謝されることになった。

 

 ドカンのある広場で、水泳のことが話題になり、午後からプールへ行って競泳大会を開くことになった。のび太は午後から大雨になると主張するが、スネ夫などは天気予報じゃとうぶん降らないと反論している。このテルテル坊主で雨を降らせると宣言して、そのように天気表を変更している。

 

 スネ夫から朝早く、庭の草むしりのため、ほかにやりたいことができなくなるので、ぜひ、テルテル坊主で雨にしてくれと頼まれている。書き直すと、パパがクラブを新調して、楽しみにしているゴルフが雨のため、できなくなるので、スネ夫には悪いと思いながら、再度書き直した」。

 

その日は天気へのリクエストが次から次へと殺到した。しずちゃんからはお天気続きで、お庭の草花がしおれちゃってかわいそうと、ジャイアンからはお天気にしろ、野球があるんだと、キツネ顔の男の子からは店のカサが売れなくてこまっているから、雨を降らせろなどというものであった。

 

 抗議のため家の前の集まった子どもたちに対して、のび太は「みんなでジャンケンしてくれないかな」と頼んでいる。すると、「無責任だぞ! どっちが正しいか判断しろ。晴れだ! 雨だ!」と収拾のつかない状況になってしまった。家の中に逃げ帰っても、玄関を「ドン ドン」叩く音がしばらく続いた。 

 

 のび太が庭で天気表を燃やしているのを見て、満足そうな顔をしたドラえもんは「お天気を自然にまかせることにしたの?」と尋ねると、のび太は「毎日、日記をつけるほうが、よっぽど気がらくだ」と答えている。

[S0466A1210067609]