シャラガム[★★]
[初出誌] 『のび太の決心』、「小学六年生」1976年3月号、10頁、72コマ
[単行本] 『シャラガム』、「てんとう虫コミックス ドラえもんプラス第3巻」2005年10月25日 初版第1刷発行、10頁、75コマ
[大全集] 『シャラガム』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 3」2009年10月28日 初版第1刷発行、10頁、75コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『のび太の決心』が『シャラガム』に変更
「ぶじたどりついた」コマ挿入[629(2)]
「時間がない」、「あいさつぬきで、ようじだけすませたい」コマ挿入[629(3)]
「やっぱり決心を守るぞ!!」コマ挿入[630(1)]
[梗概] 発作的に半年に一ぺんほどのわりで、大決心するのび太の特異日がやってきた。のび太は墨で書いた宣言文「こんどこそやりぬくぞ」を襖に貼り付けていた。机の前に座って、「ぼくももうすぐ中学生。このへんでしんけんに人生ととりくまねば、永久にとりのこされてしまう」と考え、勉強のスタートを切った。
精神を集中して考えようとしたが、しばらくすると、「グウ」と眠りそうになってしまった。再度気合いを入れ直し、電話をして、しずちゃんに教わりに行くことになった。
しばらくすると、しずちゃんから電話があり、まだ来てないと言うので、ドラえもんが探しに出掛けると、のび太はのんきに女の子とバレーボールをして遊んでいた。
ドラえもんはあきれて怒る気にもなれず、「遊ぶなりひるねするなり、好きにすればいい」と突き放してしまった。のび太は泣きながら、ドラえもんにしがみつき、「やりぬくための機械」を出して欲しいと頼んでいる。
ドラえもんは渋々『シャラガム』を取り出した。このガムをかむとガムシャラになり、「やろうと思ったことは、なにがなんでもやりとげる力がつく」というひみつ道具である。のび太はガムをかみ、「これから五分以内にしずちゃんの家につく。わからないとこ教えてもらって、二十分以内に家に帰って勉強をつづける」と決心した。
しずちゃんの家に行く途中、スネ夫に会い、『少年サンデー』のマンガを見せてやろうと言われて、一瞬その誘惑に負けそうになったが、「悪魔の手先め!」と叫びながら、危機を脱出している。
しずちゃんの家で問題の解き方を教えてもらったあと、面白いゲームに誘われたが、「やっぱり決心を守るぞ!!」と大声で宣言して、窮地を脱することができた。家に帰る途中、友だちがそちらの道へ行くと、のび太をぶん殴ってやると言っているジャイアンが待ち伏せしている、と知らせてくれた。
しかし、約十分の遠回りになるので、ガムシャラに走って帰ると、ジャイアンに出会い、「ボカ ボカ」殴られながら、辛うじて玄関までたどり着くことができた。
ドラえもんはのび太に、シャラガムは普通のガムであり、「きみは自分の意志の力だけで、やりぬいたんだ!」と絶賛した。のび太もホッとし、「ぼくもやる気になりさえすればやれるんだね。安心した。勉強はあとにしよう」と言いながら、いつもの昼寝モードに入ってしまった。
[S0372・B0319・067603]