未来のルームマラソン[★]
【道具解説】 ひみつ道具である『未来のルームマラソン』の上で、十歩足踏みすると、十歩ほんとに進んだように景色も変わる。目の前の障害物を突き抜けることができ、スピードも自由自在に調節できる。
【使用目的】 のび太もママもパパも三日でルームランナーに飽きてしまった。それを見て、ドラえもんはのび太に「未来のルームマラソン」を取り出している。
【使用結果】 ドラえもんが「未来のルームマラソン」を出しても、全く反応がありません。ドラえもんがこの道具の上を走っていながら、突然のび太に「くつをぬぎちらして叱られるぞ」と怒鳴ると、ママからのび太は「なんですか、このぬぎ方は!」といって叱られた。
ドラえもんが現場を見ていないのに、どうしてわかったのかのび太には全くわからなかった。「この道具の上で十歩足ぶみすると…。十歩ほんとに進んだようにけしきがかわる」といった、このひみつ道具の機能にその秘密が潜んでいた。
のび太がこの道具の上を走るにつれて、階段を降りたり、ドアなんか開けなくても突き抜けて通ることができるので、あきる心配もなく、遠く大阪や九州まで走ってみたくなった。
しかしながら、1キロぐらい走ったところで、九州まで走るにはどれくらいかかるかドラえもんに聞くと、きみの足なら1年以上かかるとのことであった。のび太は突然またやる気をなくして、いつものようにゴロンと横になってしまった。
ドラえもんがスピードを10倍にすると、のび太は車に乗っているようなスピードで走ることができた。しばらくすると、のび太はどうせ走るなら100倍にしようと、セットを仕直した。ジェット機なみの速さになり、あっという間に箱根に達し、上り坂も、時には川の中も全く苦にしないで走り抜けることができた。
のび太は「見ろ! このダイナミックな走り方。オリンピックでも優勝だよ」と叫びながら、東海道を西へ西へとひた走り、大阪へ、広島へ、ついに夕方までには九州まで走り通すことができた。
のび太は「くたくただけど気もちのいいつかれだ。そして、走ることに自信がもてたよ」と実感。その晩「ドラえもんのおかげだ。ありがとう、ありがとう」と何度も感謝しながら、グッスリ眠りについた。
翌日の体育の時間はマラソンで、のび太はスタートライン上で、「ピョコ ピョコ」と何度もその場駆け足を繰り返した。きのうの「未来のルームマラソン」で走ったクセがどうしても取れません。ついに体育教官から「こら、野比!まじめに走れっ!」と怒鳴られる始末であった。
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