未来のネコ用品[★★]
【道具解説】 真っ白いペルシャネコに恋したドラえもんが、のび太から友だちになるためにはプレゼントが一番だと言われた。
ドラえもんの出したプレゼント用のひみつ道具である『未来のネコ用品』(450)は、『カツオブシガム』(450)、『コタツハウス』(450)、『ネズミトリゲーム&ウオッチ』(450)、『マタタビ香水』(450)などであった。
【使用目的】 ドラえもんはドラ焼きものどを通らないほど、深窓の真っ白いペルシャ猫に恋をしてしまった。ドラえもんがのび太から交際のきっかけにはプレゼントがいいと言われたので、「未来のネコ用品」を取り出している。
【使用結果】 ドラえもんの恋した真っ白なペルシャ猫はめったに外に出てこないので、ドラえもんは「未来のネコ用品」をどうやってわたそうか、「あんたなんかきらい! といわれたらどうしよう」かと、悩んでばかりいた。そのため、のび太は「どこでもドア」から、強引にドラえもんをペルシャ猫の部屋に押し込んでいる。
ドラえもんが顔を赤くして、「こ、ここ、こ、ここ、こんにちは!」としどろもどろのあいさつをすると、「まあ…、めずらしいネコさんね」と言われたので、「ネコ? ぼくをネコだとみとめてくれるの? タヌキじゃなく!? しあわせ!!」とめろめろな表情になってしまった。
「こんなめずらしいもの初めてみたわ」と言われ、「そんなに気に入った? ウヒョ」、「すてきなお友だちができてうれしいわ」で、「ムヒョー」と叫んで、うれしさのあまり倒れ込んでしまった。
ドラえもんが「ふうん、自分のへやをもってるの、しあわせだなあ」と問いかけると、「でもないわ、一度でいいから外へでて自由に歩きまわってみたいわ」と希望するので、ドラえもんは「どこでもドア」から外へ連れ出した。
ペルシャ猫とドラえもんが屋根の上を楽しそうに駆けながら、散歩していると、白黒の猫に出会い、「一度でいいからきみとお話ししたいと思ってた」、「あたしも…。こうしてあえるなんてユメみたい」、「ぼくは子ネコのときから…」、「毎日窓の外へきてくださったのね」
「あたし家をでるわ」、「それはいけない。ぼくはノラネコなんだ。きびしいくらしだよ。人間やイヌにおそわれうえや寒さや…」、「どんなにつらくてもがまんする」、「わかんないこというんじゃない!!」と二人の会話が延々と続いた。
それを聞いていたドラえもんは顔を真っ赤にし、悔し涙を流しながら、「うぬうっ、ライバルめ。どうするかみてろ!!」と左手にピストル、右手にマシンガンを持って、猛烈にいら立っていた。
ペルシャ猫が「そうだわ! すてきなお友だちがいるの、やさしくてなんでもできるの。ドラちゃんお願い」と頼まれると、ドラえもんは最初、腕を組んで歩きまわっていたが、「そうだ!! 前にぼくらが作ったイヌとネコの国」で幸せに暮らせるよう、二人を気持ちよく送りだそうと決心した。
のび太に「なにしにいったんだよ」と問い詰められると、ドラえもんはしょんぼりとし、涙をこぼしながら、「いいんだ、あの子がしあわせになるならば」としんみりと答えていた。
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