未来のチョコQ[]

【道具解説】 ひみつ道具の『未来のチョコQ』は「馬力もスピードもだんちがい」で、「ゼンマイ一まき、四十キロは走る」ことが可能である。

 

【使用目的】 スネ夫がさまざまに改造されたすばらしいチョコQのコレクションを自慢したので、のび太はみんなの前でチョコQを大改造すると宣言してしまった。のび太がチョコQを改造してもうまくいかず、「よ、よ、よ…」と泣き崩れると、ドラえもんが「未来のチョコQ」を出してくれた。 

 

【使用結果】 ドラえもんはどんな改造でも、思った通りにやってくれるひみつ道具『万能改造自動ドライバー』を取り出した。「ビッグライト」で「未来のチョコQを「ムク ムク」と大きくして、改造をしやすくした。

 

  ブレーキをつけ、ハンドルと前輪を連動させ、シートも柔らかくてクッションにいいものに改造した。「スモールライト」と「ビッグライト」をヘッドライトに組み込んだ。外へ運び出せなかったが、のび太が鏡を使ってこの難問を解決した。

 

 屋内で試運転をすると、最初は「ガーッ キキーッ グル グル バクーッ」と危ない運転であったが、途中からおもしろくなって、自由自在に乗り回せるようになった。スネ夫に見せびらかしたいため、外に出掛けることにした。

 

 「小さくなると、世の中が変わって見えるよ」と考えながら運転していると、いつもかみつく野良犬のクロを「ガ~」と脅したり、先生に「バシャ」と水しぶきをかけながら、スネ夫の庭に到着した。

 

  スネ夫の庭にはかなり高度なテクニックを要するコースがセットされていた。スネ夫とジャイアンはこのコースを回り終えるまで、何回ねじを巻いたかという…回数が少ない方が勝ちになるルールで競争しようとしていた。

 

 スタートの合図で、ジャイアンは思いっきり「ガー」とぶっ飛ばしたので、カーブからはずれてしまった。はずれた場合はスタートに戻るルールであったが、ジャイアンに頭を殴られ、はずれたところから続けることになった。

 

  カーブでは二台とも「モタ モタ」とゆっくり走っていたが、直線コースになると「ガー」とスピードアップした。最大の難所である池ごえコースでは二人は慎重に狙いをつけながら、スタートさせた。

 

ジャイアンはスネ夫のチョコQにわざとぶつけて「ガチャン ポチャ」と池に落としてしまった。抗議すると、ジャイアンは「作戦のひとつだもんくあるか!!」と凄んできた。

 

そのとき、ものすごいスピードで「ガー」とコースを走ってきたチョコQがジャイアンのチョコQを「ガツ ポチャ」と池に落とし、難コースを次から次へとクリアーして最初にゴールを切ることになった。

 

 ゴールへ二人が駆けていくと、チョコQから降りたのび太が「ぼくに改造なんてできないといってたのだれ? きみたちこんなのできる? できないもんだから、あいかわらずレースごっこなんかしちゃって。おくれてるなあ、ダサイなあ」と挑発したので、ジャイアンはチョコQを「ひょい」とつまみあげ、遠くの方へ投げ飛ばしてしまった。

 

 のび太が「返せ! チョコQ 返せ!」と訴えると、スネ夫やジャイアンは次々にチョコQを走らせたので、「助けて~。ドン ガン」とひどい目に会ってしまった。チョコQを探しに出掛けたが、「小さくなってると、わずかな距離でも長く感じられた」 野良犬のクロに追いかけられているとき、ドラえもんが助けにきてくれた。

 

 ひどい仕打ちに対して、ドラえもんは「ゆるせない!! かたきをとってやるぞ!!」と誓い、チョコQを発見すると、自らもスモールライト」で小さくなってチョコQに乗って、スネ夫の庭に向かった。

 

庭では、二人の人形をどちらのチョコQが早く倒すか、競争していた。そのチョコQをビッグライトで大きくして、ジャイアンとスネ夫に「ドカン」と衝突させている。

 

ドラえもんとのび太の乗ったチョコQに気づいた二人は、腹を立て、「ひねりつぶしてやる!!」と追いかけてきたが、巧みなハンドルさばきで、二人の攻撃をかわし、チョコQで庭の石を「カチーン」と飛ばして、二人を徹底的に痛めつけている。ジャイアンとスネ夫は懸命に逃げ出したので、チョコQから風船のついたロープを出し、二人をがんじがらめにこのロープで縛り上げて、降参させている。

 

最後に、どうしてもしずちゃんに改造したチョコQを見せて、感心してもらいたかった。

 

 しずちゃんの玄関前に行って、しずちゃんこっちこっちと叫んでもなかなか気づかなかった。突然、足下にいるチョコQに気づいた。

 

そのとき、スカートをはいたしずちゃんの真下にいたので、「なんていやらしい改造!! グシャ」と踏みつぶされてしまった。ドラえもんは「だからいったのに!!」と猛烈に腹を立てていたが、かたわたののび太は顔を赤くしてただ頭を右手でかくばかりであった。

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