未来の全商品カタログ[★★]

【道具解説】 ドラえもんはひみつ道具の一部を『未来の全商品カタログ』で注文している。未来の通信販売のカタログを見て、未来の自転車、ゴルフクラブ最新製品、未来の洋服など欲しいなと思うだけで瞬時にその品物が届くシステムになっている。

 

  なお、予算の乏しいドラえもんは最新のカタログではなく、中古のカタログで注文している公算が大である。なぜなら、ドラえもんの見ていたカタログは2087年版だからである。

 

【使用目的】 スネ夫が八段変速の新型の自転車を買ったので、のび太も欲しくなったが、野比家の家計では無理だということが分かった。家に帰ると、ドラえもんが「未来の全商品カタログ」を見て、「買えないなあ…」と呟きながら、部屋を出て行った。

 

【使用結果】 のび太がこのカタログに、未来の自転車が欲しいなあと、声を出して言うと、瞬時に「ヒューン」という音とともにその自転車が目の前に現れた。ひとこぎ百メートルで時速も二百キロも出る自転車に乗ってみると、普段自転車に乗れないのび太でも、この自転車には自由に乗ることができたので、乗って出かけることにした。

 

  みんなの注目の的になり、このカタログがあれば、何でも手にはいるので、みんなにこのカタログを奪われてしまった。みんなが大喜びをしたと告げると、ドラえもんに「なんてことを!」と、でかい声で怒鳴られてしまった。

 

通信販売のカタログであったため、あとで請求されると、ドラえもんから教わることになった。すでに、五百万相当の品物を買ってしまったので、のび太が返そうというと、返品は認められないと言われ、その上、代金を払わないと詐欺の罪で捕まると、冷たい態度で言われてしまった。

 

 ドラえもんから「パパたちに、そうだんするしかないね」と言われたが、のび太は「だめにきまっている」と考えていた。

 

 家に帰ると、玄関から「のび太さんが自転車を…」という声が聞こえてきたので、のび太とドラえもんが自転車に乗って逃げると、係りのひとがスーパーマンのように「ギーン」と追い掛けてきた。全速力で、走っているとき、空中で自転車が「バラ バラ」になり、「ドサッ」と大地に二人は落下してしまった。

 

 ドラえもんとのび太を追い掛けてきた人が二人の前で正座して、「ゆるしてください」と頭を下げた。そして、あの自転車は発売したが、欠陥車であることが判明したので回収中であるという話を始め出した。

 

 「最高時速で走っていると、バラバラになるのです。あんな物売ったとなれば、わが社の信用にかかわりますので…」と説明したあと、「ほかにお買い物になった品は、無料にしますので、どうかこのことをひみつに…」と言って、係りの人は帰っていった。

 

 その話を聞いたドラえもんは口を尖らせて、「どうして、ぼくの分もうんと買っといてくれなかったんだよ!」と以前の冷たい態度を忘れたかのように、のび太に抗議をしている。

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