水ビデオ[★★]
【道具解説】 ひみつ道具の『水ビデオ』に、映画館の天井からつるした瓶の水を「ジャー」と入れると、ディスプレーに映画館の映画が写るようになる。
【使用目的】 のび太が家に帰ると、ドラえもんは映画館に吊しておいた水の瓶を、『どこでもドア』で取りに行って帰ったところであった。そして、その水を「水ビデオ」にジャーと入れていた。
【使用結果】 映画館の天井につるしておいたビンの水を、「水ビデオ」に「ジャー」と入れて、しばらくすると、「ジャン ジャカ ジャーン」の音楽とともに、『大魔境』の映画タイトルがビデオに現れたきた。
二人でこの映画を楽しんだ後、この水をビンにしまっておけば何度も見ることができた。こうしてドラえもんの映画コレクションはこの作品で五本目となった。
のび太が水道の水をくんできたので、「水ビデオ」で見ると、水が雲だったころから次に、「ザアザア ザア」と雨になり、わき水になって、小さな流れになり、きれいな小川になり、人影が見えきた。
のび太がさらにクローズアップすると、なんだかさびしそうな子どもがささ舟をながしている姿を目にすることになった。その後、川幅も広くなり、長い長い旅を続けて、やがて浄水場に入っていった。
のび太は昼寝も忘れて熱中し、「どこでもドア」を使っていろんな場所の水を集めに出掛けた。最初に見た公園の水には、ドカンのある広場で昼寝をしていた人が寂しげな姿で映っていた。
学校の横の小川ではジャイアンとスネ夫が釣りをし、しずちゃんが見学していたが、全く釣れないので、しずちゃんはアクビをしたり、つまらなそうな顔をしていた。
最後の水はしずちゃんとこのお風呂の水であった。ドラえもんは「なんてことを!! はずしらず!!」と激怒したが、のび太が「じゃ、すてるよ」というと、ドラえもんはすました顔をして「せっかくだから見よう」と、自ら「ジャボ ジャボ」と「水ビデオ」に入れている。
お風呂がちょうどわいたところであり、しずちゃんが浴室に入ろうとしたとき、突如、しずちゃんが「こんにちは」と現れたので、「ワッ! バシャ」とビデオをひっくり返し、何も聞かれないのに、びっしょりになって「みてないなんにもみてない!!」と平身低頭している。
しずちゃんが小川で拾ったささ舟に、「兄さん、大へんです。父さんが畑しごとのさい中にたおれました。……。兄さんの住所がわからないので、舟で手紙を流します」といった内容の手紙がのせてあった。
のび太は土管のある広場や公園にいた男の人は、ささ舟を流している子と兄弟であると思った。「どこでもドア」で出かけて、ドカンのある広場にいたその人に聞くと、遠い山の中にあって、おやじとけんかして三年前に家出したという話であった。
おやじさんの病気の話をすると、ビックリしたので、ドラえもんは「どこでもドア」で弟さんの待っているふるさとに帰ってもらっている。
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