ジャイアン乗っとり[★★★]

[初出誌] 『ジャイアン乗っとり』、「小学六年生」197411月号、8頁、56コマ

[単行本]  『ジャイアン乗っとり』、「ぴっかぴかコミックス ドラえもん第13巻」200695日 初版第1刷発行、8頁、56コマ

[大全集] 『ジャイアン乗っとり』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 22009830日 初版第1刷発行、8頁、56コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「ちょっと頭をさげてやれば、それで気がすむんだから。アハハ……」が「ちょっと頭を下げてやれば、それで気がすむんだから」に変更[582(4)]

 「うーん……」が「ううん……」に変更[582(8)]

 

 「きみやいつも正しいりっぱなやつだ。おれはノータリンのうすらデブの大ばかやろうだ」、「これまでのことゆるしてくれ、このとおり」が「きみやいつも正しいやつだ。おれはノータリンのうすらデブの大ばかやろうだ」、「これまでのことはゆるしてくれ。このとおりだ」に変更[587(1)]

 

[梗概] 土管のある広場で、ジャイアンから「ギロ」とにらまれ、「わるいのはどっちだ!」とすごまれたので、のび太は手をついて謝ってしまった。しずちゃんから、「今の場合、だれが見ても正しいのはのび太さんよ。どうしてあんな人の言いなりになるのよ! 自分が正しいと思ったらおし通すべきよ」と叱責された。

 

  ドラえもんからも、「なさけないなあ。負けてもいいからぶつかっていこうという気になれないの?」と言われた。のび太は激怒して、「ぼくがあんなでっかいのとけんかして、けがしてもいいのか? ああそう、きみはそういうやっつだったのか」と悲嘆にくれていた。

 

 ドラえもんは広場に『魂抜き取り機』を備え付け、何かに火を付けて、うちわで「パタ パタ」あぶりながら、大量の煙を出していた。のび太が「ゴホ ゴホン ゴホン」とセキをした後、大きなクシャミをし、のび太の魂を外に出した。

 

  この魂がジャイアンの鼻から入ると、ジャイアンの魂は眠ってしまい、ジャイアンを好きなように操ることができる。つまり、のび太がジャイアンに乗り移ることになる。

 

 のび太の魂がジャイアンに乗り移ると、ジャイアンはのび太に謝りにいこうと言い出した。かあちゃんから店を手伝うように言われたが、叱られるのはジャイアン自身であるので、気にしないで出かけた。

 

  スネ夫に会うと、ジャイアンはゴリラの真似をしながら、「おおいにばかにしてわらってくれ。これからおれに会うたびにあかんべえをしろ」と命令した。

 

 広場にみんなが集まると、ジャイアンはのび太の前に正座して、「さっきはすまなかった。本当におれが悪かったんだ。これまでのことはゆるしてくれ」と頭を下げた。ジャイアンは、スネ夫はもちろんのこと、しずちゃんからも「いさぎよくすぐあやまるなんて男らしいわ」と絶賛された。

 

  一方、のび太は「こんなはずじゃなかったのに」とおおいに戸惑っていた。のび太の魂の抜け出たジャイアンもこの大絶賛を、チンプンカンプンで全く理解できなかった。

[S0259F1307067411]