ラッキーガン[★★]
[初出誌] 『ラッキーガン』、「小学六年生」1974年10月号、10頁、73コマ
[単行本] 『ラッキーガン』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第4巻」1974年11月1日 初版第1刷発行、10頁、76コマ
[大全集] 『ラッキーガン』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 2」2009年8月30日 初版第1刷発行、10頁、76コマ
【初出誌vs.大全集】
「そーれみろ!」が「そうれみろ!」に変更[575(3)]
「さ!きみもどきょうをきめて」が「さっ!きみもどきょうをきめて」に変更[576(9)]
「赤玉ばかり三発つづくなんて、ありっこないもの」コマ挿入[577(1)]
「うるさいわね。あっちへいっててよ」コマ挿入[577(2)]
「ふーん……」、「へーえ……」が「ふうん……」、「へええ……」に変更[577(3)]
「ねーえ」が「ねええ」に変更[577(4)]
「えーいおもいきってやってみよう!」が「ええい思いきってやってみよう!」に変更[577(6)]
「黒がでるぞお」、「きゃあ、ドキドキして、見ていられないわ」コマ挿入[577(7)]
[梗概] しずちゃんは急用のため来られなくなり、取っておいた最高級のフランスケーキはお客さんに食べられ、読みかけのマンガはパパが持って出かけ、表に出かけようとしたらイヌに靴を持っていかれ、このように、今日ものび太の一日は全くついていなかった。
ドラえもんに相談すると、『ラッキーガン』というツキをよくするひみつ道具を出してくれた。「ラッキーガン」は四連発のリボルバーであり、赤玉三発、黒玉一発がセットで装てんされている。
赤玉に当たると、その日一日幸運に恵まれ、黒玉に当たるとろくな目にあわない、そして、四発ひとそろい詰めないと、効き目がないガンである。のび太はどうしても引き金を引く勇気がなかった。
最初に、ママに試してもらうと、「ピンポ~ン」と赤玉が当たり、ママはお客さんが渡すのを忘れていた海外旅行のおみやげをもらうことができた。今度こそと思って、のび太が試そうとしたが、「ドキ ドキ ドキ ドキ」し、黒玉がでるような気がして、どうしても引き金を引くことができなかった。
のび太は黒玉がでるまで、ほかの人に使わせようと思い、往来で、ジャイアンに会ったので、このガンの話をした。すると、ジャイアンは「おれ、そういう遊び大好きだ!」と言って、いとも簡単に引き金を引いてくれた。
すると、ジャイアンはいい気持ちになり、「ウワ~オ」と叫ぶと、近くにいた赤ちゃんがダンゴを振り回したので、「スポ」と口の中に入った。さらに、とうちゃんに映画をつれていってもらい、路上で百円を拾うこともできた。この光景を見てのび太はとてもうらやましくなった。
三度続けて赤玉がでるということは考えられないので、今度こそ黒玉がでると思った。土管のある広場で、女の子が遊んでいたが、女の子は全員運だめしに二の足を踏んだ。しかし、一緒に遊んでいたスネ夫が思い切って引き金を引くと、とてもいい気持になった。その上、女の子から勇気があると絶賛され、「モテ モテ」の状態になった。
残りは黒玉であるので、のび太はこのガンを捨ててしまった。すると、それを拾った小さな男の子が「うつじょ!」といって、「ドジャン」と引き金を引くと、ものの見事にのび太に命中してしまった。
のび太はその後、撃った男の子を「めっと!」とにらみつけたので、「ウワアン」と泣かれ、その子のママから「いつもうちの子を泣かせるの」と叱責された。さらに、自動車にぶつかって、ドブに「ドボン」と吹き飛ばされている。
家に帰ると、のび太はドラえもんから、「きょうははじめからついていない日だったんだから」と、慰めにならない言葉を投げかけられていた。
[S0258・A0417・067410]