人間製造機[★★★]

[初出誌] 『人間製造機』、「小学六年生」19747月号、10頁、67コマ

[単行本]  人間製造機』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第8巻」1975725日 初版第1刷発行、11頁、79コマ

[大全集] 『人間製造機』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 22009830日 初版第1刷発行、11頁、79コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「えーつ!?」が「ええつ!?」に変更[545(5)]

  「文字なし」コマ挿入[546(2)]

 「ワア、らんぼうするな」、「ぼくはおまえのおやじだぞ」コマ挿入[546(7)]

「?」、「だれか、なにかいってる」コマ挿入[547(1)]

 

「そうか、こいつがテレパシーで話しかけてるんだな」コマ挿入[547(2)]

「ミルク……モッテ……コイ……」コマ挿入[547(3)]

「のび太さん、さっきはごめんね」、「だって、あんまりへんなじょうだんいうんだもの」コマ挿入[547(4)]

 

「だれのミルク?」、「ぼくの赤ちゃん」コマ挿入[547(5)]

「文字なし」コマ挿入[547(6)]

「オギャーッ」コマ挿入[547(7)]

「フワ フワ」コマ挿入[547(8)]

 

「なに?しずちゃんを電気死刑に?ばかなことやめろ!」コマ挿入[547(9)]

「文字なし」コマ挿入[547(10)]

「文字なし」コマ挿入[548(1)]

「チャカ チャカ チャカ」コマ挿入[548(2)]

 

「はやくっ。なんとかしなくちゃ」、「フワ フワ」コマ削除[97(1)]

「ゴロン」、「ふりだしにもどれ」コマ削除[97(2)]

「ゴロ ゴロ」コマ削除[97(3)]

「バアー」コマ挿入[548(4)]

 

「逆時計で時間を逆もどりさせたんだ。何もかも二時間前と同じじょうたいになってる」コマ挿入[548(5)]

「今から二時間いないにやったことが、みんなちょうけしになるんだ」コマ削除[97(5)]

 

 [梗概] スネ夫とジャイアンが電池で動く戦艦を作っていたので、のび太が「手つだってやろうか」と声をかけると、「のび太に手つだわれちゃ、船がしずんじゃうよ」と言われてしまった。

 

  のび太はバカにされたので、すごいものをつくってあっといわせてやろうと思った。ドラえもんに相談すると、「自分ではじめからくふうしてこそ、値うちがあるんだよ」と説教されてしまった。

 

 ドラえもんは「机の前にある機械にさわっちゃだめだよ」と釘を刺して、どこかに出かけている。さわるなといわれると、さわりたくなるもんだと言いながら、説明書を読んでみると、「本物そっくりの人間の赤ちゃんを作ってみませんと書かれた、ひみつ道具『人間製造機』に関するものであった。

 

  新世界デーパートのものがその機械を引き取りに来たが、のび太は持ち主がいないと断っている。

 

 その説明書によれば、約三キロの赤ちゃんひとり分の材料は「脂肪」石けん一個、「鉄」釘一本、「リン」マッチ百本、「炭素」鉛筆四百五十本。コップいっぱいの「石灰」、ひとつまみの「いおう」と「マグネシウム」、1.8リットルビンの「水」であった。

 

  足りないものがあるので、しずちゃんの応援を頼むことにした。「ふたりでいっしょにつくらない?」とお願いすると、「なにを?」と聞いてきたので、耳元で「赤ちゃん!!」とささやくと、へんなじょうだんよしてっ!!」と怒って、「ベチ バリ バリ ガリガリ」となり、のび太は満身創痍になって、「なんで、あんなにおこるのか…。まったく女の子って、理解にくるしむよ」と思った。

 

 足りないものは乏しいおこづかいをはたいてそろえることができた。「人間製造機」に材料を入れてスイッチを押すと、「ゴボ ゴボ ゴボ ゴボ」となって、人間みたいな形になってきたので、みんなを呼んできて驚かそうとした。

 

  部屋を出るとき、機械のことが心配になって急いで帰ってきたドラえもんと、「ドシン」とぶつかった。デパートから取りに来たという話を聞いて、ドラえもんは安心してのび太と一緒にスイカを食べ出した。

 

 新製品にはとんでもない欠点が見つかり、製造した人間はミュータントであり、仲間を増やして人間を征服しようとしたため大騒ぎになったと、ドラえもんが語り出したので、のび太は青くなって、作ったと白状することになった。

 

 「人間製造機」には、ミュータントが完成していたので、ドラえもんが木の大きなトンカチで機械を壊そうとすると、念力でトンカチを奪われ、ドラえもんだけでなくのび太も「ガシン ゴチ ゴチ」と攻撃されることになった。

 

 ミュータントが機械から出て、のび太にテレパシーで「ミルク…モッテ…コイ…」と命令しているときに、しずちゃんがやってきた。「のび太さん、さっきはごめんね。だって、あんまりへんなじょうだんいうんだも」と玄関から入ってきた。

 

  左手にほ乳瓶をもったのび太を見ると、「だれのミルク?」と尋ねるので、「ぼくの赤ちゃん」と答えたので、さっきと同じような状況になってしまった。

 

 しずちゃんが怒って玄関を出るときに、ミュータントが「オギャーッ」と奇声を発すると、しずちゃんは「フワ フワ」と空中を漂った。そして、ミュータントは「しずちゃんを電気椅子」にと、とんでもないことをテレパシーで命じた。

 

  そのとき、ドラえもんがひみつ道具『逆時計』を使って、なにもかも二時間前と同じ状態にしてくれた。ミュータントは「チャカ チャカ ボチャ バアー」ともとの材料にもどってしまった。

 

  スネ夫とジャイアンの作った戦艦も最初の状態に戻ってしまった。その光景を見て、ドラえもんは「あちこちにめいわくをかけたらしいね」とのび太に話している。

[S0255A0806067407]