タヌ機[★★]
[初出誌] 『タヌ機』、「小学六年生」1974年6月号、10頁、65コマ
[単行本] 『タヌ機』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第7巻」1975年5月25日 初版第1刷発行、10頁、67コマ
[大全集] 『タヌ機』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 2」2009年8月30日 初版第1刷発行、10頁、67コマ
【初出誌vs.大全集】
「いやね、ずーっと前から思っていたんだよ」が「いやね、ずうっと前から思っていたんだよ」に変更[530(1)]
「きっと、まずしい木こりの小屋かなんかだろう」が「だれかいませんかあ」に変更[535(2)]
「まてっ、正体をあらわせ!」コマ挿入[536(4)]
「スネ夫さんが、くるったのよ」が「スネ夫さんが、おかしいのよ」に変更[536(5)]
「アハアハ」、「ヒラリ」コマ挿入[537(3)]
「ドカ」コマ挿入[537(4)]
「ボカ」、「ボカ」、「ヒラリ」コマ削除[97(5)]
「アーン、ママまであんなこといってる」が「アアン、ママまであんなこといってる」に変更[537(5)]
[梗概] 学校帰りの途中、のび太の背中に通行人の「ポイ」と投げ捨てたタバコが入ったので、「ハチャ チャッ チャ」と大騒ぎになった。スネ夫が「まるで、カチカチ山だ」といったあと、大声で「そうだったのか!!」と叫んだ。
前からのび太の顔はなにかに似てると思っていたが、今わかった。タヌキだと名指しした。しずちゃんも「わるいこといっちゃダメ!!」と言いながら、笑いをこらえることができなかった。
顔を真っ赤にしながら帰ってドラえもんに報告すると、ドラえもんは「それはひどい! こともあろうに、のび太くんを、タヌキににてるなどと…」と話してる最中に、「プーッ ク・ク・ク ゲラ ゲラ ゲラ」と笑い出し、「うまいこというなあ」と言ってしまった。
怒って腹を立ててしまったのび太を追いかけ、「ゆるせ。あやまる」と言ったあと、「のび太くんがぶじょくされたということは、ぼくがぶじょくされたと同じだ」と啖呵を切った。
そして、ドラえもんはひみつ道具『タヌ機』を取り出し、のび太に「タヌ機」のメガネとしっぽをつけるように命じた。再度、腹を立てたのび太はドラえもんをなぐってしまった。
「タヌ機」をつけるとドラえもんの説明で、人を化かせるということがわかったので、のび太はドラえもんを実験台にした。
「ジー」と見つめられたドラえもんは「月夜だ。そしてぼくはタヌキだ」と言いながら、「ハアア、おいらのともだちゃポンポコポンのポン」と陽気に歌い踊り出した。実験は大成功だったので、のび太は「タヌ機」を借りて、スネ夫を化かしに出かけた。
スネ夫が化かされると、商店街が山道になり、日も暮れかかり、散歩中のイヌに出会うとオオカミに見えたので、一目散に逃げ出した。すると目の前にボロ屋が見えたので、中に入ると、十二単を着たきれいな女の人が座っていた。
実際、その人はしずちゃんであったが、全く気づかず、ひとりでこんなところに住んでいて、寂しくないのですかと尋ねるので、しずちゃんもスネ夫さんは寝ぼけているのではないかと思ってしまった。
うまそうなおかゆだと思って、ガブリ」と食べてみると、バケツに入った水であったので、スネ夫は「ブヒャ ペッ ペッペ」と吐き出し、「おまえはキツネかタヌキだな! シッポをみせろ!」と外まで追い掛けてきた。
しずちゃんが「スネ夫さんが、おかしいのよ」と、ジャイアンに助けを求めると、ジャイアンが「しっかりしろスネ夫!」と止めに入ってくれた。スネ夫が震えながら「ゴリラだ!」と絶叫したので、ジャイアンから「ボカ」とパンチをもらうことになった。
「ハッ」とわれにかえったスネ夫は「ごめんよお」と言いながら、懸命に逃げ出したので、ジャイアンが追い掛けてきた。のび太が「これで胸がスッとしたよ」と思って歩いていると、スネ夫がのび太の目の前で、「ヒラリ」と体をかわしたので、ジャイアンのメリコミパンチが「ドカ」と、のび太の顔面に炸裂した。
玄関前で、ママから「どうしたのよ、タヌキみたいな顔して」と言われたので、のび太は左手に割れた「タヌ機」を持って、ドラえもんに「アアン、ママまであんなことをいっている」と、ドラえもんに泣いて訴えている。
[S0254・A0716・067406]