出さない手紙の返事をもらう方法[★★]

[初出誌] 『返事先どりポスト』、「小学六年生」19742月号、10頁、71コマ

[単行本]  『出さない手紙の返事をもらう方法』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第2巻」197491日 初版第1刷発行、10頁、75コマ

[大全集] 『出さない手紙の返事をもらう方法』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12009729日 初版第1刷発行、10頁、75コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『返事先どりポスト』が『出さない手紙の返事をもらう方法』に変更

 「「あて先不明で配達できません」」が「「あて先が書いてないので、配達できません」」に変更[756(8)]

 

「…… ……」コマ挿入[757(2)]

「「切手がはってないから配達できません」」コマ挿入[757(4)]

「切手をはらなかったからだ」が「わりとうるさいポストだ」に変更[757(5)]

「「変わらぬ友情をちかって……。野比玉子より」」コマ挿入[757(6)]

 

「この手紙は?」コマ挿入[757(10)]

「さっきあつめてったあとよ」が「さっき集めてったよ」に変更[759(3)]

 

[梗概]  急用があって一ヶ月前速達を出した山田花子さんから、いまだに何の便りもないので、ママは心配になりとても憂鬱な顔をしていた。パパも気になってママに尋ねると、あなたに出しといてと頼んだ手紙の件で悩んでいることが分かった。


 パパは青ざめて廊下を「ドタ バタ」と走って、洋服棚で確認すると、やっぱり手紙を出し忘れていた。パパは「えらいこっちゃ。ママは怒りまくるぞ」ととても狼狽していた。

 

  その様子を見て、のび太はドラえもんにひみつ道具『返事先どりポスト』を出してもらって、パパから借りたその手紙をポストに「コトン」と投函している。このポストを使うと、手紙を出す前に、返事がもらえるので、忘れた手紙を改めてほんとのポストに投函すればよかった。


 パパが汗を「タラ タラ」流しながら、ママにわびているところへ行って、のび太は花子さんの手紙の返事をママに手渡している。ママが涙を流しながら手紙を読んでいる傍らで、チンプンカンプンのパパはなぜかホッとしていた。


 往来では、このポストの威力を知ったのび太がみんなに遠慮なく使ってほしいと宣伝していた。しずちゃんが真っ先に来て、大ファンの歌手である天野星夫にサインをもらうために手紙を書いていたが、返事が来るかどうかを確認してもらった。返事が来ないことが分かったので、出すのをやめている。


 次にスネ夫はジャイアンが読んだらぶっ殺されるような手紙を書いたので、どんな返事が来るかを実験するために投函した。スネ夫が返事を読みだすと真っ青になって、「ワナ ワナ」と震えだした。

 

  そこへ、偶然ジャイアンがやってきて、「よう、なにやってんだ」と声をかけたので、さらに、驚愕して、「ゆるしてえ!!」と絶叫しながら、逃げ出している。


 のび太も実験したくなり、しずちゃんにラブレターを書くことにした。のび太は思いっきり、「ロマンチックに歯の浮くような名文句を、うんと気どってきざったらしく、ちょっぴりエッチなことも」書いて投函した。

 

  「あて先がかいてないので配達できません」、そして、次ぎの投函では「切手がはってないから配達できません」という返事が返ってきた。


 のび太とドラえもんが切手を買いに行っている間に、ママは花子さんへの返事を書いたので、のび太に投函を頼もうとして部屋へやってきた。誰もいないが手紙が置いてあったので、ママは一人で花子さんへの手紙と例の手紙をポストに出しに行った。


 のび太たちが家に帰ると、例の手紙をママが投函したことが明らかになった。同じ文面の手紙を「返事先どりポスト」に投函すると、「あきれたわ、子どものくせになんていやらしい手紙……。あんたとはもう絶交よ!!」という返事が返ってきた。


 早速、取り返すためいつものポストに駆けつけると、「さっきすでに集めにきたよ」と、タバコ屋のおばあさんから言われてしまった。最後の手段として、しずちゃんの家に配達されてきたところを押さえるしかないという結論に達した。

 

  しずちゃんから「毎日うちの前をぶらぶらして、どうしたの?」と尋ねられても、「ウロ ウロ」するドラえもんのかたわらで、のび太は「おかまいなく!」というのが精一杯であった。
[S0156A0218067402]