守り紙と貧乏紙[★★]
【道具解説】 ひみつ道具の『守り紙』(184)は「毎日三回おがめば、きみをさいなんからまもってくれる、ありがたいカミサマ」である。のび太が、こっそりドラえもんの『四次元ポケット』から取り出した紙はひみつ道具の『貧乏紙』(442)であった。その効用は『守り紙』の正反対である。
【使用目的】 のび太は学校から帰ると、災難よけの道具を出してくれと頼んでいる。ドラえもんからもっとしっかりした人間になれと言われても、のび太はしっかりする前に災難でやられてしまうというので、渋々「守り紙」を出している。
【使用結果】 のび太は「守り紙」を紙きれと思っていたが、階段から足を滑らして、「ゴロ ゴロ」と落下すると、「まもり紙」が「スポ」と体を包んでくれたので、けをしないですんだ。さらに、ドブに落ちそうになると壁になってくれ、イヌにかまれそうになると、「クル クル」と筒になって、「ブウ」とイヌを吹き飛ばしてくれた。
のび太がボールに当たりそうになると、この紙がバットになって「パカ」と打ち、スネ夫に「ブチン」とぶつけている。スネ夫が「ボールにぶつかるのは、いつものび太のやくだぞ」と喚きながら、この紙を「グシャ」と握ると、反撃した紙に「ボカ ボカ」なぐられることになった。
調子にのったのび太がジャイアンを「ベロベロバー」とバカにすると、「おれにむかってその態度はなんでッ」と右ストレートで「ブウン」となぐろうとした。すると、紙が「ボカ」と反撃したが、ジャイアンが互角に戦ったので、応援のため、まもり紙をもう五、六枚呼んでくることにした。
家に帰るとドラえもんが寝ていたので、ポケットから紙を出して、その紙に「パン パン」と手をたたいて拝んだ。目覚めた、ドラえもんからそれはひみつ道具『びんぼう紙』であり、そんなものがついているとろくなことがないと指摘された。
もとに戻してもらおうとしたが、一度とりつくとはなれないで、のび太を階段から「ドサッ」と落下させ、イヌに足を咬まれ、その上、後頭部にボールをぶつけられることになった。
ジャイアンが満身創痍になって、「まもり紙」をビリビリに破いていた。それを見て、のび太は「もう一枚やっつけてくれ」とべそをかきながら、ジャイアンにお願いしている。
[S12120・A23145・028006:184/442]