まねラジコン[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『まねラジコン』は、「運動神経の鈍い人にダンスなんか教える機械」である。相手のする通りまねして、ひとりでに動くことができるようにする機械でもある。

 

【使用目的】 ジャイアンズの今シーズンの成績がメチャクチャ悪かったので、ジャイアンは足腰を鍛えるため町内十周のマラソンをし、ビリのものはぶん殴ると宣言した。のび太はそうなれば毎日殴られるので、ドラえもんから「まねラジコン」を出してもらっている。

 

【使用結果】 のび太は「まねラジコン」のスイッチを自分に、アンテナをジャイアンに取り付ければ、昼寝しながらでもジャイアンと同じ速さで走れると思いながら、その夜は床に就くことができた。

 

 次の日、マラソンでジャイアンにラジコン装置をつけ、のび太自身の装置のスイッチを「パチ」と押すと、ひとりでに走ることができ、ジャイアンと一緒にゴールをきることができた。

 

  ビリになったスネ夫をジャイアンが「ボカ ボカ」殴りだすと、のび太も近くにいたドラえもんを「ボカ ボカ」殴り出した。のび太が自分のスイッチを切り忘れていたためである。

 

しずちゃんにこのラジコンのアンテナを取り付けると、のび太が宿題を広げながら、スイッチをオンにすると、手が自然と動いて、スラスラスイと問題を片づけることができた。

 

突然、のび太は「トコ トコ」と歩き出し、「ゴツ」と柱にぶつかってしまった。しずちゃんが参考書を本棚の方に取りに行ったためである。

 

 三時のおやつであったけれども、まねコンが作動しているうちは勝手に動くことができなかった。スイッチを「パチッ パチッ」と切っても、柱にぶつかったとき故障したのか、全然機能しなくなってしまった。その間、四つのどら焼きをドラえもんが全部食べてしまった。

 

 やっと宿題を終って、「バタ」と倒れて昼寝を始めると、故障したせいか、しずちゃんもなぜか畳の上に「バタ」と倒れている。しずちゃんが「ムク ムク」と起き上がって歩き出すと、のび太も起き上がって歩き出した。

 

  しかし、昼寝をしたいと思って「ガバ」と伏せると、しずちゃんも伏せている。しずちゃんもなんだか体が逆らっていることに気づき出した。アンテナをつけている方が強いので、のび太はしずちゃんの動きにコントロールされるようになった。

 

 のび太が階段を降りて部屋へ行くと、いとこののび枝さんが久しぶりにやってきて、ママとお茶を飲んでいた。二人の前で、のび太は突然服を脱ぎ出した。そのため、しずちゃんが風呂に入ろうとしていることが分かった。

 

  しずちゃんは服を脱ぐのにいつも以上の力がいるので、鏡で自分の姿を確認すると、頭の上に何かを付けていることに気づき、それを取り外して窓の外へ「ポイ」と捨ててしまった。すると、のび太は自由に動くことができるようになったので、早速、その装置を取り返すために外に出た。

 

 しばらくすると、のび太は往来で四つん這いになり、イヌのように電柱に小便をかけたり、ゴミ箱をあさることになった。そこへ、ドラえもんがきたので、イヌを探してあの機械をはずしてほしいと頼んだ。

 

  最初は、ドラえもんは「ぼくのいうことをきかないで、かってなことをしたからだ」と冷たい態度であったが、ドラ焼で買収されて、イヌからその機械を取り外すことになった。

 

ドラえもんは五個のどら焼きを食べながら、のび太に「スイッチがこわれたら、自分の頭の機械をはずせばよかったのに、なぜそうしなかったの」とからかっている。のび太はスッと立ち上がり、「気がつかなかった。教えてくればよかったのに!!」と悔し涙を流していた。

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