未来からの買いもの[★★]
[初出誌] 『未来の自転車』、「小学六年生」1973年11月号、10頁、60コマ
[単行本] 『未来からの買いもの』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第7巻」1975年5月25日 初版第1刷発行、10頁、63コマ
[大全集] 『未来からの買いもの』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1」2009年7月29日 初版第1刷発行、10頁、63コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『未来の自転車』が『未来からの買いもの』に変更
「えーと、えーと」が「ええと、ええと」に変更[727(3)]
「そののび太さんが自転車を………」コマ挿入[727(6)]
「ギーン」コマ挿入[728(2)]
「文字なし」コマ挿入[728(5)]
[梗概] スネ夫が八段変速の新型の自転車を買って、みんなに自慢していた。のび太は今持っている自転車はきらいなので、買ってもらう決心をして家に帰ってきた。しかし、パパとママがゴルフのクラブと新しい洋服を、買う買わないで言い争っていたので、新しい自転車を買うのは、とうてい無理だと思ってしまった。
ドラえもんが眠いといって、部屋を出ていったとき、ひみつ道具『未来の全商品カタログ』を忘れていった。そのカタログには、「ひとこぎ百メートル! 最高時速二百キロ! 衝突防止道順記憶装置つき」の未来の自転車も出ていた。
のび太が「すごいなあ! こんなのほしいなあ…」とつぶやくと、「ヒュウン」の音とともにその自転車が目の前に現れた。パパやママの欲しがっていたものを試しに言ってみると、目の前に現れたので、二人にプレゼントすることができた。
普段自転車に乗れないのび太でも、この自転車には自由に乗ることができたので、乗って出かけることにした。みんなの注目の的になり、このカタログがあれば、何でも手にはいるので、みんなにこのカタログを奪われてしまった。みんなが大喜びをしたと告げると、ドラえもんに「なんてことを!」と、でかい声で怒鳴られてしまった。
通信販売のカタログであったため、あとで請求されると、ドラえもんから教わることになった。すでに、五百万相当の品物を買ってしまったので、のび太が返そうというと、返品は認められないと言われ、その上、代金を払わないと詐欺の罪で捕まると、冷たい態度で言われてしまった。
ドラえもんから「パパたちに、そうだんするしかないね」と言われたが、のび太は「だめにきまっている」と考えていた。
家に帰ると、玄関から「のび太さんが自転車を…」という声が聞こえてきたので、のび太とドラえもんが自転車に乗って逃げると、係りのひとがスーパーマンのように「ギーン」と追い掛けてきた。全速力で、走っているとき、空中で自転車が「バラ バラ」になり、「ドサッ」と大地に二人は落下してしまった。
ドラえもんとのび太を追い掛けてきた人が二人の前で正座して、「ゆるしてください」と頭を下げた。そして、あの自転車は発売したが、欠陥車であることが判明したので回収中であるという話を始め出した。
「最高時速で走っていると、バラバラになるのです。あんな物売ったとなれば、わが社の信用にかかわりますので…」と説明したあと、「ほかにお買い物になった品は、無料にしますので、どうかこのことをひみつに…」と言って、係りの人は帰っていった。
その話を聞いたドラえもんは口を尖らせて、「どうして、ぼくの分もうんと買っといてくれなかったんだよ!」と以前の冷たい態度を忘れたかのように、のび太に抗議をしている。
[S0153・A0710・067311]