月給騒動[★★]

[初出誌] 『月給騒動』、「小学六年生」197310月号、10頁、61コマ

[単行本]  『月給騒動』、「てんとう虫コミックス ドラえもんプラス第2巻」2005825日 初版第1刷発行、10頁、63コマ

[大全集] 『月給騒動』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12009729日 初版第1刷発行、10頁、63コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「おーい、落とし物だよ」が「おおい、落としものだよ」に変更[715(5)]

 「おーい野比くうん!」が「おおい、野比くぅん!」に変更[716(7)]

 「とちゅうで落とさないかしっかり見ていこう」コマ挿入[717(1)]

 

「ぜったいに落とさなかったよな」、「そう!! ぼくたち見てきたもんな」コマ挿入[717(4)]

「と、いうことは……」、「月給はかならずカバンの中に……」コマ挿入[717(5)]

「もう寝たよ」、「月給は!?」コマ削除[255(3)]

 

[梗概] パパが月給袋を落としたということで、野比家は大騒ぎになった。パパは交番に届け、ガード下のおでん屋で一緒に飲んだ課長さんにも聞きに出掛けている。ドラえもんとのび太も「タイムマシン」に乗って、パパの夕べの行動を探ることにした。

 

 おでん屋でお酒を飲んでいる時には、まだ月給袋は紛失していなかった。飲む時間が長くなり、風も「ピウ」と吹き、外で待っていると、寒くなってきたので、二人はマラソンを始め出した。ドラえもんが犬の尻尾を踏んだので、「ワン ワン ワン」と追い掛けられた。

 

 おでん屋に戻ると、パパはいなかったので、家に帰ろうとすると、焼き鳥のカンバンの出ている店で再び飲み出しているパパを発見した。さらに、「グテン グテン」に酔って他の店に行こうとしたので、少し懲らしめるため、ドラえもんはひみつ道具の『テレビ中継機』で、ママの顔を酔っぱらっているパパの目の前の壁に映し出した。

 

パパは課長をほっぽり出して、走って家に帰り出したので、後を付けて月給袋を落とさないかどうかをしっかりと見届けた。家に着いた時、ドラえもんは絶対落とさなかったと確信できたので、パパのカバンを調べて、ないことに気付いてびっくり仰天した。

 

 再度、「タイムマシン」に乗って、おでん屋に行くと、酔ったパパが「なにあずかってくれる? ありがたい、安心して飲める」と言いながら手渡したのがドラえもんであった。じっくり見るとドラえもんだったので、パパは「こんな夜中になにをしている!」と怒鳴りつけたので、二人は逃げる途中、犬の尻尾を踏み、月給袋を落としてしまった。

 

 大急ぎで「タイムマシン」の入口まで逃げ、無事家に帰ることができた。家で顔を真っ赤にしたのび太が「ナニ、ナニ、ナニ!? 月給落としてきたって? 何のために行ったんだよっ!」とドラえもんに怒鳴っていた。次の晩、交番に届けてあった月給袋を持ってパパが帰ってきた。

 

 パパは「落としたのはのび太とドラえもんみたいなんだけど…」と納得いかない顔でママに告げると、「また、子どものせいにして」と叱られた。ドラえもんは冷や汗を流しながら、「ねえ、もういいじゃない、月給はぶじに返ったんだから…」とパパをしきりに弁護していた。

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