怪談ランプ[★★]

[初出誌] 『怪談の会』、「小学六年生」19739月号、10頁、54コマ

[単行本]  『怪談ランプ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第2巻」197491日 初版第1刷発行、10頁、56コマ

[大全集] 『怪談ランプ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12009729日 初版第1刷発行、10頁、56コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『怪談の会』が『怪談ランプ』に変更

 「ねえ、もうよそうよ。ふきつな予感がする」、「ふきつけっこう」、「いいから、やってくれ」コマ挿入[706(8)]

「ヒイ~」コマ挿入[707(3)]

 

「すきま風がはいったんだよ。かまわず続けろってば!!」が「すきま風がはいったんだよ」、「かまわず、つづけてくれっ」に変更[707(4)]

「あーびっくりした。あーびっくりした」が「びっくりした。びっくりした」に変更[709(1)]

 

[梗概] のび太がママに怖い話を教えてほしいと頼んだ。すると、ママは「山の中でひとりのおばあさんが住んでいたが、重い病気で寝込み、七日目にとうとう」と語り出した。のび太が心配になって「死んじゃったの!!」と尋ねると、意外や意外、すっかり直り、七日ぶりに食べたご飯は七日前のものであったので、ご飯が「こわくてこわくて」というオチであった。


 のび太は今晩ジャイアンの家で怪談の会をやるので、みんなをゾーッとさせてやりたいので、ドラえもんにひみつ道具『怪談ランプ』を出してもらった。「これを出して怪談をすると、話のとおりのできごとがおきる」というものである。


  部屋の電灯を「パチ」と消し、ロウソクに灯をともして怪談の会が始まった。ジャイアンは舌をペロリと出しながら、番町皿屋敷のお菊がいちま~い、にま~いと数える名場面を、しずちゃんも舌を出し、おにばばが出刃包丁をにゅうっといった場面を、ジェスチャー入りで演じている。

 

  スネ夫もなぜか舌をペロリと出しながら、つきだした顔が、「ノッペラボー!!」と言いながらみんなを怖がらせようとした。みんな聞いたような話ばかりであるので、のび太以外誰も怖がらなかった。


 最後にのび太が「怪談ランプ」を取り出して、おさらをわってころされて井戸へとジャイアンの話をそっくりまねると、部屋の外で「ガチャン」とおさらのわれる音がした。さらに、あんどんの火が「スウ」と語りかけると、部屋のロウソクも「スウ」と消えてしまった。

 

  のび太がうらめしそうな声で、一まあい、、二まあいと数えると、部屋の外でもなぜか「一ま~い二ま~い」と不気味な声が聞こえてきた。真相は、ジャイアンの家に入った泥棒が台所でつまずいて皿を割り、奪ったお金を数えていたのであった。


 のび太が続けて,「ろうかをやってくる足音がピタピタ」と語ると、ろうかで足音がピタピタとし、「しょうじがスーッとあいて、でばぼうちょうが」と語ると、ほっかぶりをした泥棒が実際、障子を開けてニュッと現れたので、みんなは抱き合ってギャッと絶叫した。


 泥棒も「びっくりした。びっくりした」と喚きながら、外に飛び出した。ジャイアンを始めみんなが「まいった。まいった。おそれいった」と降参したので、のび太が優勝することになった。


 のび太は意気揚々として家に帰って、ドラえもんに優勝したことを知らせたとき、「どうせなら、ノッペラボーなんかも出したかった」と付け加えた。

 

  しかし、まだ怪談ランプを出したままであったので、顔にパックして現れたママを見て、ドラえもんものび太も「そら、ノッペラボーだ!!」と叫んで、ビックリ仰天している。
[S0151A0203067309]