珍加羅峠の宝物[★★]
[初出誌] 『宝さがし』、「小学六年生」1973年8月号、10頁、71コマ
[単行本] 『珍加羅峠の宝物』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第15巻」1978年7月25日 初版第1刷発行、10頁、74コマ
[大全集] 『珍加羅峠の宝物』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1」2009年7月29日 初版第1刷発行、10頁、74コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『宝さがし』が『珍加羅峠の宝物』に変更
「ものすごーくいいことおもいついた!」が「ものすごおくいいことおもいついた!」に変更[690(3)]
「かんたーんに大判小判がざーくざく」が「かんた~んに大判小判がざあくざく」に変更[692(7)]
「さっきの農家へはいって行った」コマ挿入[697(5)]
「がけくずれで道がふさがってる」、「この雨のせいだな」コマ挿入[698(8)]
「ググーッ」コマ挿入[698(9)]
[梗概] ドラえもんは『埋もれた財宝』という本に出ている宝物を、本格的にひみつ道具『宝さがし機』を使って、掘り出しに出掛けた。スネ夫やしずちゃんやジャイアンに「宝さがしに行くって! 本気? 宝なんてやたらに見つかるもんか。バカ」と笑われてしまった。
「幕末のころ、幕府の重臣が二千万両あまりを珍加羅峠に埋めたという記録が残っている」ので、二人はその宝を求めて、タケコプターでやってきた。ほどなく、「宝さがし機」が「キン コーン カーン」と鳴り出したので、よその家の庭に入って、掘り出すとツボが出てきた。
そのツボには貯金通帳が入っていたので、その家の主人から、「そのつぼは、おらんちの金庫だぞ」と怒鳴られてしまった。
山は広いので、徹底的に探していると、「宝さがし機」が前よりも大きく「キン コーン カーン」と鳴り出した。すごい反応で一億円ありそうな予感がするので、近づいてみると、大きなリュックを背負った男の人に出会った。怪しいと思って後をつけると、別荘地や高速道路のため、山を買いに来ている人と判明した。
山の中でひどい雨が降り出しので、のび太がはじめからこんな話信用していないんだと愚痴りだした。すると、「宝さがし機」が三度、「キン コーン カーン」と鳴り出したので、行ってみると、この雨のせいで、崖が崩れて、道がふさがっていた。
「ググーッ」と「宝さがし機」に、強烈に引っ張られたので、そこを掘ってみると、リュックッサックと人が出てきた。前に会った人から、「山くずれで、いきうめになるところでした。これは、ほんのお礼です」と言われながら、札束を受け取ることになった。
次の日、のび太が札束を見せると、ジャイアンやスネ夫は「それを山の中で掘り出したあ?」と半ば信じられないような表情であった。かたわらで、少し困惑したドラえもんも「う~ん…。少なくともウソではない」と答えている。
[S0150・A1503・067308]