厚みぬきとりバリ[★★]
[初出誌] 『厚みぬきとりバリ』、「小学五年生」1986年6月号、8頁、55コマ
[単行本] 『厚みぬきとりバリ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第39巻」1989年1月25日 初版第1刷発行、8頁、55コマ
[大全集] 『厚みぬきとりバリ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 15」2011年9月27日 初版第1刷発行、8頁、55コマ
【初出誌vs.大全集】
変更なし
[梗概] ドカンのある広場で野球をしていたら、藤子先生そっくりの人物が「しかたがないんだよ。道路にとめておくと、駐車違反で車をもっていかれるんだ」と言いながら、駐車したので、野球は中止になってしまった。
家に帰ると、パパがドラえもんに「おもいゴルフバックをかついでいくのがたいへんなんだ。なんとかならないか」と相談していた。すると、ドラえもんはひみつ道具『厚みぬきとりバリ』という「かさばるにもつをはこんだりする道具」を取り出している。
このハリをゴルフバックに刺すと、「プス シュー」となって、ペシャンコになり、「クル クル」巻いて運べるようになった。そして、水をちょっぴりかけると「ムク ムク」ともとのバックに戻った。
この光景を見て、のび太は「どらやきをすきなだけ買いたいと思わない」と声を掛けると、「ぼくの道具を金もうけなんかに使っちゃいけないの!!」とドラえもんから強くたしなめられた。
しかし、のび太が「自動車をペシャンコにしてあずかるんだよ。駐車場がなくてこまっている人が多いから、世のため人のため…」と説得すると、「人助けならしかたない」となった。
「ちゅう車じょう 一だい 10えん」という看板を貼って、のび太とドラえもんは自動車にこのハリを刺し、「プシュー ピシュー プシュー」と何台も空気を抜き、何台も重ねて駐車することができた。
空き地が使えるようになったので、ジャイアンが練習を始めようと言い出した。のび太にノックをしながら、「しっかりとれ! エラーしたらげんこつだぞ!!」と脅すので、逃げることにした。逃げる途中、ドラえもんがこのハリを刺してくれたので、ジャイアンは「チク プシュ」となり、ペシャンコになって道路に置かれてしまった。
スネ夫は「へー、ジャイアンの絵か。うまいな、まるで本物みたい。ドシン ドシン」と踏みつけると、「ウ~」とうなりだしたので、スネ夫は「!? ? ?」の心境になり逃げている。ジャイアンは風にヒラヒラ飛ばされながら、「覚えてろ!!」とつぶやいていた。
しばらくすると、雨が降り出し、駐車場では、車がうず高く積まれ、持ち主からドラえもんとのび太は抗議されていた。そこへ、雨でもとに戻ったジャイアンがすごい形相で、広場に駆け込んできた。
[S1551・A3906・058606]