ずらしんぼ[★★]
[初出誌] 『ずらしんぼ』、「小学五年生」1986年3月号、8頁、56コマ
[単行本] 『ずらしんぼ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第39巻」1989年1月25日 初版第1刷発行、8頁、56コマ
[大全集] 『ずらしんぼ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 14」2011年6月29日 初版第1刷発行、8頁、56コマ
【初出誌vs.大全集】
変更なし
[梗概] ジャイアンがマンガ『オイラくん』を、貸してやるから読んでみろといってスネ夫に手渡した。スネ夫は「めずらしいこともあるもんだ。雨でもふるんじゃないかな」と思って読んでいると、ケーキのチョコレートがマンガにベチョ…とついてしまった。
「こ・ろ・さ・れる…」と思ったスネ夫はのび太に、「ジャイアンのマンガだ、ぜったいによごすな」といいながら又貸ししている。
読み始めると、マンガはベチョと汚れていたので、「はじめからよごれてたぞ!!」と抗議すると、スネ夫は「ぼくしらないからね、ジャイアンにいってやろ」の一点張りであった。この話をすると、ドラえもんはひみつ道具『ずらしんぼ』を出してくれた。
ドラえもんはこの道具で「ピタ」と汚れを吸い付け、「ソロ ソロ」と汚れをチリガミの上にずらしてくれた。この道具を使うとふすまの穴もずらすことができた。
ママがアイロンをつけっぱなしでタタミをこがした時もこの道具を使って、こがした部分をずらすことができた。しずちゃんが大きな水たまりがあって、クツがどろんこになると心配していた時も、水たまりを「ズル ズル」とミゾに流して、感謝された。
ジャイアンにつかまり、「おれのマンガにチョコレートをつけたってな!」とすごまれた時も、現物を見せて汚れていないことを確認してもらうことができた。しかし、スネ夫は「でもこらからよごすよ」、ジャイアンも「うん、きっとそうだ」と言って帰るので、「ゆるせない!!」となった。
スネ夫はまだマンガを読み終わっていなかったので、再度ジャイアンから借りて、こんどは気をつけて読もうと思っていたら、庭の池に「ボチャ」と落っこちてしまった。
なんでこんなところに池があると思いながら上がると、ドラえもんが「カチ」と『ウルトラストップウオッチ』で時間を止め、その間に「ずらしんぼ」でマンガを別の紙にずらしてしまった。動くと、スネ夫は汚れていなかったので、安心したが、中を見るとまっ白であった。
ドラえもんとのび太は「おもしろいおもしろい」と言いながら、「オイラくん」を最初から最後まで読み通すことができた。
[S1460・A3913・058603]