さとりヘルメット[★★]
[初出誌] 『人の心をよめる「さとりヘルメット」』、「小学五年生」1985年9月号、8頁、53コマ
[単行本] 『さとりヘルメット』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第39巻」1989年1月25日 初版第1刷発行、8頁、53コマ
[大全集] 『さとりヘルメット』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 14」2011年6月29日 初版第1刷発行、8頁、53コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『人の心をよめる「さとりヘルメット」』が『さとりヘルメット』に変更
[梗概] のび太は「ムシャクシャ」してきげんのわるいジャイアンに近づいて、「ボカ ドカ」と殴られてしまった。ドラえもんにジャイアンのきげん悪いのがわからなかったと報告すると、ひみつ道具『さとりヘルメット』を出してくれた。三十ーメートル以内であれば、テレパシーによって人の心を読み取ることのできるものである。
のび太がこのヘルメットをかぶると、「あいかわらずジャイアンなんかにビクビクして。のび太は、だらしないあ」、「ちょっと遠回りになるけど、クスリ屋さんにもよってもらって…」と、ドラえもんやママの気持ちをストレートに読むことができた。
外に出ると、「まだムシャクシャがおさまらねえ、だれでもいいからなぐりたいぞ」と、近くに「イラ イラ」しているジャイアンに気づいて逃げることができた。
しずちゃんに会うと、ピアノのおけいこに行くことがわかったので、しずちゃんに「どうしてわかったの!?」と尋ねられている。その後、ジャイアンにヘルメットのなぞを気づかれ、その上奪われてしまった。
ジャイアンがスネ夫に会って、「おまえはおれのこと、どう思ってるかいってみろ」と尋ねると、スネ夫は口では「そりゃもちろん男らしくてかっこよく…」と答えていたが、「わがままでいやしくて、よくばりでらんぼうでげひんで最低の男…」と思っていた心を読み取られてしまった。
ジャイアンがヘルメットを使い出すと、次から次へと犠牲者が出た。のび太はドラえもんから、「きみの責任だぞ。はやくとりもどせ!! 心をからっぽにして。近づけばいいんだ」と命令された。
のび太が「からっぽ。からっぽ」と唱えていると、ジャイアンに「からっぽからっぽ」と読み取られ、「グイ」とつかまえられて、「ボカッ ドカッ」と殴られてしまった。
ドラえもんは「心をからっぽにするのは、やはりむりかなあ」と思っていた時、ノックアウトされたのび太を見て、「今、のび太の心は、からっぽだ!」と確信した。
そして、ひみつ道具『人間ラジコン』を出し、「命がけの冒険だが、ジャイアンに近づけるのはきみしかいないので。ゆるしてくれ、のび太!」と、空中から「ヒョコ ヒョコ」と近づくのび太を誘導している。
[S1454・A3911・058509]