のび太の0点脱出作戦[★★]

[初出誌] 『のび太の0点脱出作戦』、「小学五年生」19857月号、8頁、50コマ

[単行本]  『のび太の0点脱出作戦』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第37巻」1986825日 初版第1刷発行、8頁、50コマ

[大全集] 『のび太の0点脱出作戦』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 142011629日 初版第1刷発行、8頁、50コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 変更なし

 

[梗概] 長い時間であったけれども、ママはあまりの怒りに、言葉も出なかった。今まで五回に一回ほどのわりで0点とっていたのに、たてつづけに四回も0点をとったためであった。「あしたもテストがあるんだ。もし今度も0点だったら…」、「がんばれ! 石にかじりついても三十点はとれ!!」とドラえもんは激励していた。

 

 机に向かっていい考えが閃いたとは、「コンピュータペンシル」を借りるとか、「わすれろ草」で先生にテストのことを忘れさせるというものだった。ドラえもんがいると気が散るといって、追い出したあと、「タイムマシン」を使って一週間後の午前十時に出木杉の部屋へ行って、もはん解答をみるという計画を実行に移した。

 

 出木杉の机の引き出しに触ると、「ガビーン」とバリヤーがはってあった。バリヤーをはったのは同じのび太であった。

 

 「他人の答案をみて百点とろうなんて。セコいこと考えるなよ。実力でいこうよ、実力で」、もうひとりののび太には「ぼくのことばとは思えない。わかってるだろ、出木杉の答案をみるしかぼくの生きる道はないんだよ」と訴えると、「そんなはじしらずなまねは、ぜったいにさせない!!」、「なにを、ぼくのくせになまいきな!! ボカ ボカ」と同じもの同士のけんかになった。

 

  相手のぼくは「けんか手ぶくろ」を用意していたので、もうひとりのぼくは完敗となった。

 

 タイムマシンで帰ってきたのび太はもう自分でやるしかないと思った。ドラえもんもひみつ道具『時門』を出し、「時の流れをゆるやかにしよう。のび太、やるところまでやるんだ。がんばれ! がんばれ!」となり、その結果65点をとることができた。

 

  ママからは「のびちゃんがんばったわね」、ドラえもんからも「よくやった!」と大いに」賞賛された。

 

 のび太は「たいした点じゃないけど…、自分だけの力でここまでやれたと思う…」と涙を流し、「シミ ジミ」と答案をながめていた。やおら立ち上がって、「そうだ、あすの午前十時。出木杉のへやへぼくがくるんだ。あまったれ根性をたたきなおしてやる!」と宣言し、左手に「けんか手ぶくろ」を持って「タイムマシン」に乗り込んだ。

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