ジャストホンネ [★★]
[初出誌] 『ジャストホンネ』、「小学五年生」1985年2月号、8頁、57コマ
[単行本] 『ジャストホンネ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第39巻」1989年1月25日 初版第1刷発行、8頁、57コマ
[大全集] 『ジャストホンネ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 13」2011年4月30日 初版第1刷発行、8頁、57コマ
【初出誌vs.大全集】
変更なし
[梗概] スネ夫はドカンのある広場で、「伊藤つばさちゃんのバースデイパーティーによばれてさ。あいにく薬師丸知世ちゃんのパーティーとぶつかって、どっちをひいきにしても悪いから両方ことわったよ。彼女たちがっかりしちゃってかわいそ…」と自慢しまくったので、みんなはとても渋い顔をしていた。
そこへ、ジャイアンが「あの顔はひどくふきげんな顔…。今にも爆発しそうな…。シッ、目線があうとからまれるぞ」といった表情でやってきた。スネ夫は「そうだ! 急用を思いだした」といって帰ろうとしたら、ジャイアンから「やい、スネ夫!!」と呼び止められた。
すると、スネ夫は「さがしていたんだよ。たのみたいことがあって。このごろちっともコンサートやらないじゃない」、「そういえば…ここんとこやってねえ。だってよ、おれがコンサートやるっていうと、みんないやーな顔を…」
「なにをおっしゃる!! みんなも心の底からジャイアンの歌をききたがってるんだよ」、「そうかなあ。ほんとか!? そうだったか…。そんなことはしらず、さびしい思いをさせてわるかった。よーし!! 近く大コンサートを開くからな。楽しみにな」と上機嫌で帰っていった。
家に帰って、「スネ夫がよけいなこというから。とんだ災難だ!!」とのび太もドラえもんも猛烈に腹を立てていた。そこへ、スネ夫がやってきたので、「よくもずうずうしくぼくらの前に顔をだせたな!!」と攻撃すると、「助けてよォ。あれからだれも口をきいてくれないんだよ。ぼくのこと白い目でにらんで…」
「今度のことばかりじゃないぞ。いつもちょうしのいいことばっかり、うそつきで、ほらふきで…」、「反省してる。ぼくだって自分のわるいくせはよーくわかってるんだ。でも…口を開くとつい…心にもないことをベラベラと…。このわるいくせなんとかなおせないだろうか」と涙を流してドラえもんに訴えた。
ドラえもんも「きみが本気で反省してるな…」と言いながら、ひみつ道具『ジャストホンネ』を取り出した。これを飲むとほんとに心に思ったことしかしゃべれなくなり、一日一錠で世界一の正直者になれるものである。
スネ夫が飲んで、のび太のママに会うと、「あばさん、また小じわがふえましたね」、「薬がいわせるんだからおこらないで」とその場を逃げ出している。
ジャイアンに会うと、「コンサートな、これからすぐやることにした。いつもの空き地に全員集合!!」と言われたので、「ウエ~、あのバカ本気でやるつもりなのか」と言ってしまった。ドラえもんに、「さっきの薬の効き目消して!!」と頼むと、「あんまりかってなこというな!!」と追い出されてしまった。
ジャイアンがこれからコンサートをやるといってビラをもってきた。そして、「みんながやれといったんだから、こないやつはただじゃおかねえ」と言って帰っていった。スネ夫はママにアメリカへ引っ越すとか、だめなら人里離れた山奥へと頼んでいた。病気だといって家に閉じこもっていようと思ったけど、やっぱりうそはつけないと思った。
ドラえもんはスネ夫だけを見殺しにできないと思ったので、「ぼくらにも責任があるよ。歌をききたいなんてみんながいったから。ぼくらもジャストホンネを飲んで、みんなにも飲んでもらおう」とのび太も同じ意見になった。
ジャイアンはビラ配りを終え、衣装を着替えなくちゃと思ったが、かあちゃんに店番しろといわれていたことを思い出した。
しかし、「友だちの家で勉強するといえばいいや」と考えて家に帰ろうとすると、安雄やはる夫から「どうしても飲まなくちゃいけないの?」と問われ、ドラえもんは「みんなで本音をはこうよ」といっているのがジャイアンの耳に聞こえてきた。ジャイアンはおれにもよこせといって「ゴク」と飲んでしまった。
家に帰ると、「おれ、コンサートがあるから店番できない」と話したので、かあちゃんから「近所めいわくな歌はおやめといってるだろ!!」と怒鳴られてしまった。土管の広場に集まったみんなに対して、ドラえもんは「とうぶん店番のためコンサートは開けそうもないって!!」と喜々として朗報を伝えることができた。
[S1359・A3908・058502]