ドリームプレイヤー [★★★]

[初出誌] 『ドリームプレイヤー』、「小学五年生」19851月号、9頁、64コマ

[単行本]  ドリームプレイヤー』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第38巻」1987125日 初版第1刷発行、10頁、71コマ

[大全集] 『ドリームプレイヤー』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 132011430日 初版第1刷発行、10頁、71コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「なるほどいかにもためになりそうな夢だ」、「ジョッギングにでかけるぞ」コマ挿入[534(1)]

「おい待てよ」、「なんでぼくがジョギングなんか」コマ挿入[534(2)]

 

「もうだめ!!」、「町内一周なんて」、「ぼくにはむり!」、「「なせばなる」!!」、「死ぬ気でがんばればできないことなどない!!」コマ挿入[534(5)]

「こらあ待てえ」、「追いつけるわけがない」コマ挿入[536(4)]

「ブルル…」、「のるの?……ぼくが?……」コマ挿入[536(5)]

 

「ドラえも~ん」コマ挿入[538(8)]

「フ、フ、フ……」、「あれ?セットがかわった」コマ挿入[538(9)]

 

[梗概] 「お正月の夜、のんびりテレビを見ているのもいいもんだ」とパパがみんなに語りかけていた。のび太は歌番組ばかり見ていたので、『ヒョータンスペシャル」』、『ギンちゃん』、『翼ちゃん主演の映画』と次から次へとチャンネルを変えたので、パパからは「フラフラとおちつきのない子だ!」、ママからは「子どもはもうねなさい!!」と言われてしまった。

 

 「もっとテレビみたい!!」と言い張ると、ドラえもんはひみつ道具『ドリームプレイヤー』で初夢を見ようと言い出した。カセットには「SF、西部劇、時代劇、スリラー、メロドラマ、ドキュメント編」があった。

 

  ドラえもんがこれはきみに関係ないというので、のび太が尋ねると、「それは教訓編であり、とってもタメになる夢であるが、きみのいちばん嫌いなテープ」と決めつけるので、「かってに決めないでほしいな!」となり、そのテープを見ることになった。

 

 このプレーヤーを枕にして初夢を見ることにした。のび太が寝ていると、もうひとりの模範的のび太が現れ、「ぼくのいうとおりにしていれば、りっぱな少年になれるのだ」と言い出した。「正月ぐらいゆっくりねむりたいよ」

 

  「早起きは三文の得」、「ジョギングなんか」、「健全な精神は健全な身体に宿る」、「町内一周なんて。ぼくにはむり!」、「なせばなる」、「お正月から勉強なんか」、「光陰矢のごとし、一寸の光陰軽んずべからず」、「もっとおもしろい夢にする」、「二兎を追う者は一兎をも得ず」と、とても教訓になるものであった。

 

 ピストルの得意なのび太はガンマンになって大活躍するため、「西部劇」を見ることにした。「ドキュン ドキュン バギ バギ バギュン」と悪漢を退け、「この町にぼくがいるかぎりひとりの無不法者もゆるさないぞ!」、「やっぱりのビーは強いなあ」となった。

 

  しかし、悪者が馬に乗って逃げて行ってしまったので、馬に乗れないのび太が馬に乗って追いかけると、途中で「ドタッ」と落馬してしまった。

 

 次に、「青春ドラマ」編を見ることにした。今回はラストシーンを見て、気に入ったら見ようとした。「のび太さん!!」、「わかってる! もうなにもいうな」、「さあみんな、あの夕日に向かってダッシュだ!!」、「お~い。みんなはやすぎるよォ」、「ステン や~めた!!」となった。

 

 「あれっ…。さめない。あっ、ドラえもん、この夢さまして」、「だめ。機械がこわれた」、「こわれた!?」、「きみはもう夢の中からぬけだせない」、「そんなのないよ~!! あ~っ、日が沈んじゃった!! ドラえも~ン」と泣き叫んでいた。

 

 「フ、フ、フ…」、「あれ? セットが変わった」、「やい、ノビー!!」、「さっきのおれいをしてやるぜ。バギュン バギュ バギュン」、「ワッ!!」と落下すると、目の前に模範的のび太が立ち、「なにごともしっかり目標をさだめることがだいじなんだ」、「いったいこの夢はなんなんだ!?」、「きみはず~っと教訓の夢をみつづけたんだよ」となった。

 

 目覚めるとドラえもんから「どうだった?」と尋ねられたので、のび太は「このつぎはあんまりためにならない夢をみたい」というのが精一杯であった。

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