ツモリナール[★]
[初出誌] 『ツモリナール』、「小学五年生」1984年12月号、8頁、52コマ
[単行本] 『ツモリナール』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第36巻」1986年4月25日 初版第1刷発行、8頁、52コマ
[大全集] 『ツモリナール』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 13」2011年4月30日 初版第1刷発行、8頁、52コマ
【初出誌vs.大全集】
変更なし
[梗概] ドラえもんとのび太はテレビでこれから始まる翼ちゃんの映画を楽しみにまっていた。すると、パパが割り込んできて、ゴルフ番組を見ると言い出した。腹を立てたドラえもんはひみつ道具『ツモリナール』を出して、思いっきりこの道具を「チ~ン」と鳴らした。
「なにかしようと思っている人にツモリナールを聞かせると、したつもりになる」というものであった。
パパはゴルフ番組を見たつもりになったので、のび太たちは翼ちゃんの映画を見ることができた。映画を見ているとママに買い物を頼まれたが、この道具を「チ~ン」と鳴らすと、ママもつり込まれてその気になってしまった。
ママから、お風呂に水を張って、ちりがみここうかんに出して、と頼まれるたびごとに「チ~ン チ~ン」と鳴らしたので、映画を見続けることができた。
家の前でしずちゃんと今見た映画のおもしろいところを話し合っていると、ジャイアンがやってきたので、「えっ! ジャイアンみなかったの? あれをみなくちゃ、生きているかいがないよ、ばかだなあ」というと、ジャイアンはのび太の胸ぐらをつかんで「なぜ教えなかった!!」と殴りかかろうとした。
ドラえもんはこの道具を「チ~ン」と鳴らした。すると、ジャイアンは「思いっきりなぐったつもり」、のび太は「メチャメチャなぐられたつもり。お~いたい」となった。
広場でなにかスーッとする遊びをすることにし、あのドカンをヨットのつもり、空き地を海のつもりと思って、「ち~ん」と鳴らすと、楽しいヨット乗りを楽しむことができ、日焼けでヒリヒリしながら家に帰ってきた。
晩ごはんの材料がなかったので、ごちそうをいっぱい食べたつもり、宿題をやったつもりとこの道具を「チ~ン チ~ン」と鳴らし続けた。
朝になってドラえもんがのび太を「おきろ!! ちこくするぞ!!」と声をかけると、のび太はおきたつもりといってこの道具を「チ~ン」と鳴らした。ドラえもんは「へんな胸さわぎがするのはなぜだろう!?」と頭を悩ましていた。
その頃、のび太はフトンの中で、「きょうはちこくしなかったな、えらいぞ」と先生からほめられたつもりになっていた。
[S1357・A3606・058412]