自信ぐらつき機[★★]

[初出誌] 『無題』、「小学五年生」198411月号、8頁、63コマ

[単行本]  『自信ぐらつ機』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第37巻」1986825日 初版第1刷発行、8頁、63コマ

[大全集] 『自信ぐらつ機』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 132011430日 初版第1刷発行、8頁、63コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『無題』が『自信ぐらつ機』に変更

 

[梗概]  ジャイアンは「毎日きたえたかいがあって、みろ! このたくましさ。ま、なんのかんのいっても、男は力だからな」、スネ夫は「今の世の中でものをいうのはお金だよ。それに頭とルックスさ。その三つにめぐまれたぼくは、ああ! なんというしあわせ者だろう!!」、のび太は「どうでもいいけど…。自信たっぷりなやつっていやだね」と家に帰ってきた。

 

 ママから一週間前に約束した草むしりはどうなったかと言われてしまった。しかし、のび太は約束した覚えがないのに、最後は結局力で押し切られちゃうんだと愚痴っていた。草むしりをしていると、ドラえもんがプリプリして帰ってきた。

 

  買ってきたどら焼きを食べたら、微妙な味が台無しになっていたので、菓子屋のおじさんに抗議したら、「わしは自分のどら焼きにぜったい自信がある! ロボットなんかに味がわかるか」と言われてしまった。ドラえもんはどら焼きの味を守るため、ひみつ道具『自信ぐらつ機』を取り出している。

 

 この機械のスイッチを入れると自信ソーシツ電波が放射され、受信アンテナを菓子屋のおじさんに装着した。ドラえもんが「甘すぎるよ」と抗議すると、「こんなにうまいドラやきがあるか」と答えていたが、「ほ・ん・と・に・そう思う?」、「う~ん…、ちょっと甘すぎたかな…。甘い!! こりゃひどい。もうしわけない!」となって降参した。

 

 のび太はこの機械を使って、「草むしりはママがする約束じゃないか」、ママも「えっ、まさか…!?」、「ぼくははっきり覚えています」、「そういわれれば…」となった。

 

  ドラえもんから強引にこのアンテナを五本奪って、最初、「ぼくの顔はいつみてもなんて美しいんだろ…」とウインドウに写って、自己陶酔しているスネ夫にこのアンテナをつけた。すると、「オエ~、なんてひどい顔!! よ、よく今までこんな顔で外を歩けたもんだ!!」となった。

 

 ジャイアンにつけると、「グラ ショボーン コソ コソ」と逃げ出すので、のび太が足蹴りすると、涙を流し、ジャイアンが「なにするんだよォ」と手を挙げたが、のび太が「おっ。やる気?」とすごむと、頭を抱えて逃げ出した。

 

「しずちゃん、ぼく強いだろ。ほらほら」と知らせると、しずちゃんは「弱い者いじめはきらいよ!!」とジャイアンをかばったので、しずちゃんにアンテナをつけ、「ぼくにきらわれたら、きみなんかまずだれもおよめにしてくれないね」と告げると、「おねがいきらわないで」となった。

 

 ドラえもんは「ぼくがなにかだすたびにのび太はろくなことしない。こんなつもりで二十二世紀からきたんじゃなかったのに…」と泣いて訴え、「自信なくした、帰る」と「タイムマシン」に乗ろうとしたので、のび太は「ワァ、もうしないから帰らないで!!」と懸命に止めている。

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