ムリヤリキャッシュカード[★★]

[初出誌] 『ムリヤリキャッシュカード』、「小学五年生」19846月号、8頁、60コマ

[単行本]  『ムリヤリキャッシュカード』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第35巻」1986125日 初版第1刷発行、8頁、60コマ

[大全集] 『ムリヤリキャッシュカード』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 132011430日 初版第1刷発行、8頁、60コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「このあいだの何だと!?50円がどうした!?」が「なんだと!?50円がどうした!?」に変更[471(3)]

 

【単行本vs.大全集】

 「これで、てんとう虫コミックスを買えるだけのお金がたまった」が「これで『小学五年生』を買えるだけのお金がたまった」に変更[474(7)]

 

[梗概] のび太は貸した五十円を返してもらおうとしたが、ジャイアンに凄まれ、要件も言わないで家に帰ってきた。のび太はドラえもんに「忘れたふ………………………….りをしてるんだよ。かりた五十円を返さないつもりなんだ。五十円もの大金を!! ワァ~」と泣いて訴えた。

 

  ドラえもんはその話を聞いてだらしないと思いながら、ひみつ道具『ムリヤリキャッシュカード』を出した。このカードの穴から、相手をのぞいて金額をいえば、お金をとりたてることができるものである。このカードを使う前に、カードの右下の黒丸をおさえながら四ケタの暗証番号をふき込んでおく必要があった。

 

 のび太が広場にいるジャイアンを見てこのカードを使おうとしたら、緊張のあまり、暗証番号を忘れてしまった。暗証番号を生年月日の八月七日を使うことに決め、ドラえもんについていってもらうことにした。

 

  ジャイアンがスネ夫とアイスクリームを買おうとしていたが、スネ夫がこっそり消えた時に、ジャイアンをカードの穴からのぞきながら、「五十円。0807」ということができた。このお金が手に入ったので、のび太は「てんとう虫コミックスを買えるだけのお金がたまった」と喜んで、本屋さんに行くことができた。

 

 本屋から出てくると、ジャイアンから五十円を取った現場を見ていたぞと、スネ夫が脅してきた。カードを貸してくれないとジャイアンにばらすといわれた。

 

  カードを渡すと、暗証番号と言われたが、「忘れた」と答えると、スネ夫は「のび太の頭の程度なら、誕生日なんかで覚えているかな」と言いながら、「かわいそうだから、千円でいいや。0807!!」叫ぶと、千円のお金が出てきたので、カードを返して帰ってしまった。

 

 のび太は「一円ももってないぼくから、どうして千円も…。これなら、いくらだされたって、一円もソンしないわけだ。すばらしいカードだぞ」と思った。それで、しずちゃんにカードを渡して、「八千円。0807」と言ってもらい、お礼に千円札をあげている。

 

 ほしいものは何でも買えると喜んでいると、目の前でジャイアンが百円玉を拾ったが「パッ」と五十円玉になってしまった。気になってドラえもんに尋ねると、「あのカードは、相手にお金がない時には、未来の収入を先取りするんだ。つまり消えた五十円は、その前にのび太が受け取った五十円だ」ということになった。

 

 さっきだした八千円のために、「タイムマシンでやってきた、一ヶ月後、二ヶ月後、三ヶ月後…ののび太たち」が机の引き出しから、「おかげでず~っとこづかいが消えちゃうんだぞ!」と抗議にやってきた。

[S1351A3508058406]