ホンワカキャップ [★★★]

[初出誌] 『ホンワカキャップ』、「小学五年生」198311月号、8頁、59コマ

[単行本]  ホンワカキャップ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第30巻」1984425日 初版第1刷発行、9頁、70コマ

[大全集] 『ホンワカキャップ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 122011330日 初版第1刷発行、9頁、70コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「よー、なんかおもしろいことねえか」が「よう、なんかおもしろいことねえか」に変更[554(1)]

「文字なし」コマ挿入[554(7)]

「文字なし」コマ挿入[554(8)]

 

「文字なし」コマ挿入[554(9)]

「飲めや歌え」、「おどれやおどれ」コマ挿入[555(1)]

「あジャイアンだ」、「黒い顔で暗~い顔してら、アハハ」コマ挿入[555(5)]

「音符」コマ挿入[557(1)]

 

「ドボ ドボ」コマ挿入[557(2)]

「ガバ」コマ挿入[557(3)]

「フ…」コマ挿入[557(4)]

「ナニ!?…」が「!…………」に変更[557(5)]

 

「いまなんといった!?」コマ挿入[557(6)]

「ほれ!……つげよ」コマ挿入[557(8)]

 

[梗概] ジャイアンは「いっしょに切手を集めはじめて、おまえばっかりたまるのは、どういうわけだ」と「イライラ」しながら、スネ夫に当たり散らしていた。スネ夫もその「ムシャ クシャ」をのび太を「ガツン」と蹴って、はらしていた。家に帰ると、パパがお客さんとお酒を飲んで「ワハハ ワハハ」といい気持ちになって騒いでいた。

 

 のび太は「不公平だ!!」と不満を訴えると、ドラえもんは「お酒をのまなくても、いい気もちになれる」ひみつ道具『ホンワカキャップ』を出してくれた。

 

  ジュースやコーラのビンにこのキャップをかぶせると、「キャップを通してついだ液体は、ホンワカ放射能をおびて…」、のび太が飲むと「ホワ~」となって、とてもいい気もちになってきた。そして、のび太は炭坑節を歌い出したが、チョッピリしかのまなかったのでアッという間にさめてしまった。

 

 しずちゃんの家に行って、コケコーラのホームサイズにキャップをかぶせ、ドラえもんも交えて、乾杯をした。

 

  「のめや歌え。おどれやおどれ。アハハ オホホ ワハハ ゲラゲラ ギャハハ」と楽しく飲んだあと、まだフラフラしながら歩いて帰る途中、黒い顔で暗い顔しているジャイアンを呼び止め、「お~いジャイアン、いいものやるぞ!!」と言いながら、ホンワカキャップをプレゼントした。

 

  急に酔いがさめると、ドラえもんは「あれ高いんだぞ!!」と騒ぎだし、のび太も「自分がやったくせに!!」と反論している。

 

 ジャイアンが「えん会やるからコーラもっておれんちへこい」とスネ夫に命ずると、「塾へ行くところなんだよ」、「おれとじゃのめねえってのか!?」となり、結局、「じゃかる~く一ぱい…」とジャイアンの家で飲むことになった。

 

  スネ夫が「ゴク ゴク」飲むとホンワカし、ジャイアンもカラオケで歌を歌いだした。歌を聞きながら、スネ夫は自ら「ドボ ドボ ガバ ガバ フー…」と飲みまくった。

 

 酔いの回ったスネ夫とジャイアンの間では、次のような会話が「ケッ! やめろやめろ、へたくそ」、「いまなんといった!?」、「へたくそをへたくをといってなにが悪いへたくそ。ほれ!…つげよ」

 

  「おまえコーラぐせが悪いな。そろそろ塾へ行かなくていいの?」、「るせえ!! もっとつげ!!」、「ないよ、もう」、「買ってこい!!」と「ドン ドン」エスカレートした。

 

 「グビ グビ」飲み続けるスネ夫は「でっかい顔しやがって!! てやんでえ!! みんなが泣かされてんだぞ。おまえなんか町の公害だぞ!! バロー!!」

 

  ジャイアンは「グス。なにもそんなに…、いわなくても…。心の中では…、みんなに悪いと…、わたしつらい!」とシャツで顔をおおいながら、しかも、でべそを出した状態で防戦一方となった。「悪いと思ったら切手を返せ!!」、「返すわよ!! ほかの人のおもちゃも本もみ~んな返すわよ!!」となった。

 

 ジャイアンが大きなふろしきを肩に担いで、スネ夫に尻を蹴られながら、「さっさと次の家へまわれ!!」と命令されている姿を見て、ドラえもんは「さめたあとが思いやられるなァ」とかたわらののび太に話し掛けている。

[S1257A3010058311]