あとからアルバム[★★]

[初出誌] 『あとからアルバム』、「小学五年生」19839月号、8頁、54コマ

[単行本]  『あとからアルバム』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第31巻」1984825日 初版第1刷発行、8頁、54コマ

[大全集] 『あとからアルバム』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 122011330日 初版第1刷発行、8頁、54コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 変更なし

 

[梗概] のび太はドラえもんの寝ている姿をうまく描けないので、ドラえもんに落書きをして遊んでいた。

 

  パパがのび太の絵を見て、「絵は心だ! 美しいなとかかわいいなとか心に感じたら、それを表現するのが芸術だ」と格調高い説教をし、パパなんか小学生の頃全国図がコンクールで金賞を取ったと話してくれた。しかし、その記念写真は戦争中、空襲で焼けちゃったという話であった。

 

 のび太は「パパの子ならぼくの中にも絵の才能がねむっているはずだ!」と考え、美しくもかわいくもないモデルがよくないと決めつけ、しずちゃんにモデルをお願いすることにした。

 

  「ぼくの親友」という宿題のテーマのモデルになっていた、ドラえもんが目を覚まして、ママに会うと、「キャ ハハハ」と大笑いされてしまった。しずちゃんにモデルになってもらったが、「ああっ、また動く! あくびした。まばたきした!!」と注文がうるさく、しずちゃんに「やってられないわ!!」と断られてしまった。

 

 「せっかく花咲こうとした才能が、またしぼんでしまった」と考えながら、帰ると、ドラえもんが「よくやったな!!」と追いかけてきた。のび太が「証拠もなしに犯人にするな!」と反論すると、ドラえもんはひみつ道具『あとからアルバム』を取り出した。

 

  犯行時刻を指定して、とじて三分間待って、パッと開くと、のび太が落書きをしている写真が出てきたので、のび太は恐れ入りましたと降参している。

 

 感心したのび太はこのアルバムを使って、一週間前、一月前、一年前のぼくをためしてみた。すると、一年間ほとんどゴロゴロしていたことが明らかになった。このアルバムを借りて、しずちゃんの写真をモデルに絵を描こうとした。するとしずちゃんがフロに入ろうとする写真が出てきた。

 

  ドラえもんとのび太の会話は「宿題にヌードはまずいんじゃないの」、「やはりねえ。たくさんうつせば、中にはいいのが…。こまるなあ、いつもおフロに入ってる」、「時間をみはからって指定してるくせに」

 

  「どれもこれもまずいなあ」、「じつにまずい、もっとだせ」とエスカレートした。そこへ、しずちゃんが「なにがまずいの?」とやってきたので、写真はぜんぶ取り上げられ、二人は満身創痍になってしまった。

 

 最後に一枚だけいいことに使うからと借り出し、コンクールで金賞を取ったときの写真を、このアルバムで見つけようとした。みつかった写真を見て、パパも「すっかりあきらめていたのに」と感動していた。

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