たましいふきこみ銃[★★]

[初出誌] 『たましいふきこみ銃』、「小学五年生」19835月号、8頁、63コマ

[単行本]  『たましいふきこみ銃』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第34巻」1985825日 初版第1刷発行、8頁、63コマ

[大全集] 『たましいふきこみ銃』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 122011330日 初版第1刷発行、8頁、63コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「なれるまでちょっとむつかしいけど」が「なれるまでちょっとむずかしいけど」に変更[503(4)]

 「他人をあやつるのはむつかしいな」が「他人をあやつるのはむずかしいな」に変更[504(10)]

 

[梗概] のび太は人形を作って、ジャイアンにいじめられたくやしさを晴らしていた。この姿を見てあまりにもみじめであると思ったので、ドラえもんはひみつ道具『たましいふきこみ銃』を出している。

 

  この銃をプッと吹くと、自分のたましいを相手に吹き込むことができる。あとは相手を人形のように自由自在に操れるようになる。元に戻すには、この銃を「スウ」と吸い込めば元に戻る。

 

 玄関前を掃除していたしずちゃんに「プッ」とこの銃を吹き込むと、「のび太さんすてき」、「大すき! 愛してる!!」、「およめさんにしてちょうだい」、「うれしいなったらうれしいな!」と踊りながらとても喜んでくれた。しずちゃんが踊りながらドブに落ちこんでしまったので、のび太は他人を操ることの難しさを知った。

 

 ジャイアンを探していたが見つからなかった。ドカンのある広場でスネ夫が模型飛行機を飛ばして遊んでいたら、その飛行機がのび太の後頭部に「コツン」と当たってしまった。

 

  スネ夫が「バーカ、どこみてあるいてるんだ。飛行機がこわれたらどうするんだ、ノロマ」と軽蔑するので、この銃を「プッ」とスネ夫に吹き込んでいる。

 

  のび太が「ジャイアンをさがしてこい」と命令すると、スネ夫は「ハハーッ、のび太さまのおっしゃることならなんでもききます。これはいい考えだ。どんなに歩いても、つかれるのはスネ夫の体だから」としゃべりながら、ジャイアンを見つけてきた。

 

 早速、たましいをスネ夫から「スウ」と抜いて、ジャイアンに「プッ」と吹き込んだ。そして、のび太は「やいジャイアン! おまえはよくばりでいじわるでけちんぼでピーマン」と罵倒すると、ジャイアンは正座して両手をついで「そのとおりです、ゆるしてください」と謝まることになった。

 

  しかし、のび太はゆるせないので、「おまえのような悪者はてってい的にやっつける!! ボカ ボカ」と殴りつけ、「二度と悪いことをするなよ!」と警告している。そして、「スウ」とこの銃を吸い込んでいる。

 

 ジャイアンにはチンプンカンプンであったが、それを見ていたスネ夫は「ジャイアンてこんなに弱かったのか」と考え、思いっきり足で「ガン」とジャイアンを蹴飛ばした。

 

  家で、のび太は本を読み、ドラえもんはどら焼きを食べていた。窓の外では、「キャー ごめんよお。ゆるしてえ」という悲鳴が聞こえてきた。のび太は「あのの悲鳴はなんだろう」と思った。

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