いやになったらヒューズをとばせ [★★]
[初出誌] 『いやなことヒューズ』、「小学五年生」1982年10月号、8頁、56コマ
[単行本] 『いやになったらヒューズをとばせ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第33巻」1985年4月25日 初版第1刷発行、9頁、66コマ
[大全集] 『いやになったらヒューズをとばせ』、「藤子・Ｆ・不二雄大全集 ドラえもん 11」2010年11月30日 初版第1刷発行、9頁、66コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『いやなことヒューズ』が『いやになったらヒューズをとばせ』に変更
「のび太ちゃ～ん、おさんぽしてるの？」コマ挿入[555(6)]
「一周はなされたぞ！！」、「やる気あるのか、ないのか！！」コマ挿入[555(7)]
「ぼくは……いっしょうけんめい………やってるのに……」コマ挿入[555(8)]
「息も脈もとまっていますね」、「えっ」、「えっ」、「えっ」コマ挿入[556(6)]
「おおっ、気がついたか。ばんざい」コマ挿入[556(7)]
「十円！！」、「パシ」コマ挿入[559(7)]
「文字なし」コマ挿入[559(9)]
「文字なし」コマ挿入[560(1)]
「ピシャ」、「ボリ ボリ」、「かゆい かゆい」、「パチ」コマ挿入[561(1)]
「これでいついやなことがあっても安心…」コマ挿入[561(3)]
「パシ」挿入[561(4)]
[梗概] のび太は体育でマラソンをやらされるため、きょうは遅刻することに決めた。｢ぼくだけどんどんおくれちゃって…｣、｢いいじゃないかおくれても、最後までがんばれ｣、｢みっともないし、くたびれるし、つらくてつらくて…｣といういつもの会話が続いたので、ドラえもんはひみつ道具『いやなことヒューズ』を取り出している。
このヒューズを首につけておけば、ひどくいやなとき、ヒューズが切れてなにも感じなくなるというものである。
体育の時間にグランド十周のマラソンが始まった。体育のこわい先生から「一周はなれたぞ！！ やる気あるのかないのか！！」と怒鳴られた。のび太は「ぼくは…、いっしょうけんめい…やっているのに…」と顔を真っ赤に走っているとき、「パシッ」とヒューズが切れてしまった。
すると、先生は「むりをさせて悪かった」と言いながら、のび太を保健室まで運んでくれた。保健室の先生から「息も脈も止まっていますね」と言われたので、体育の先生は真っ青になってしまった。しばらくすると気がついたが、保健室のベッドで、体育の時間が終わるまでのんびりすることができた。
のび太は最初はドラえもんに断られたが、なんとか「よほどの時だけに使うから、ねえねえねえ」と言いながら、十個ほどもらうことができた。それを一個つけて、階段を下りようとしたら、足を滑らして「ツル ゴロ ゴロ ドシーン」と落下し、十五分ほど気を失ってしまった。気がつくと、もう痛みは完全になくなっていた。
庭に雑草がはびこり、ヤブ蚊が発生していたので、ママからなんべん言っても草むしりしないので、のび太を「ガミ ガミ ガミ」とお説教をしているとき、ヒューズが切れてしまい、ろうばいしたママはお医者さんを呼びに出かけた。
その間に気づいたので、外へ遊びに出掛けると、ジャイアンから「野球だ、こい」と命令されたが、「やだね」と断ると、「なにを抜かす！！」とジャイアンがのび太の頭を「コツ」となぐると、「パシ」と切れてしまった。
はる夫が「こないだかした十円、はやく返せ！！」と追い掛けられたり、しずちゃんにビックリ箱を見せられると、「パシ」と切れてしまった。町では、「のび太ってすぐ気絶するんだ。きずつきやすいのよ。あいつにはおこらないほうがいいぞ」という噂が流れ、のび太は「住みやすい世の中になった」と大喜びをしていた。
パジャマに着替えて寝ようとしたら、ヒューズがあと一個しかなかったので、ドラえもんに「あすのぶんおくれ」と頼むと、残りの一個も「こんなものすてちゃえ」と言って庭に捨ててしまった。
のび太はもったいないと思って庭を探していたら、ヤブ蚊が多く、「ピシャ ピシャ ピシャ ボリ ボリ パチ」と格闘しながら、なんとかヒューズを探すことができた。
のび太は首にヒューズを付けながら、「これで、いついやなことがあっても安心…」と思っていたら、目の前にクモが「スウ」と降りてきたので、「パシ」と切れてしまった。
のび太が庭に出たっきり戻ってこないので、パパが「おうい、のび太！！」と声を掛けると、気づいたのび太はヤブ蚊に刺されて、すごい形相で「カイ カイ カイ カイ カイ カイ」と叫びながら部屋に戻ってきた。ドラえもんはそれを見て「怪物だっ」と声を挙げている。
[S1156・A3313・058210]