ほしい人探知機 [★★]

[初出誌] 『ほしい人探知機』、「小学五年生」19829月号、8頁、52コマ

[単行本]  『ほしい人探知機』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第32巻」1985125日 初版第1刷発行、9頁、60コマ

[大全集] 『ほしい人探知機』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1120101130日 初版第1刷発行、9頁、60コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「クル」、「つぎは右へまがる」コマ挿入[548(1)]

「ペコ ペコ ペコ ペコ」「目標は近いぞ!!」コマ挿入[548(2)]

「ほしいけど買えない」「お金がないから」コマ挿入[548(8)]

 

「ほしいけど、買えないだって」が「あてにならない機械だなあ」に変更[548(9)]

「ペコ ペコ ペコ ペコ」コマ挿入[549(1)]

「おじさんよろこぶぞ」コマ挿入[549(5)]

 

「とにかく」「みるだけみてよ!」コマ挿入[552(2)]

「…………」コマ挿入[552(3)]

「ン!?…………」コマ挿入552[(4)]

 

[梗概] ある家の角に「ミイ ミイ」鳴く子ネコが捨てられていた。しずちゃんはカナリヤがいるため、のび太はママがいるためどうしても飼うことができなかった。のび太としずちゃんは「みなことにしよう。ごめんね、子ネコちゃん」と言いながら、両耳を押さえながら、その場を走り去った。

 

 のび太が「もらい手さがしても、むだだろうな。このあたりのネコ好きな人は、もうみんなかってるから」と嘆きながら帰る途中、暗~い顔の玉夫おじさんと会い、一緒に家に帰った。

 

 玉夫おじさんはママやパパに、車のセールスを始めたが、まだ一台も売れないとこぼしていた。それを耳にしたのび太がドラえもんに「どうしたら車が売れるかしら」と尋ねると、ドラえもんはいとも簡単に「車がほしくてしょうがない人をさがせば」と言いながら、ひみつ道具『ほしい人探知機』を取り出した。

 

 ドラえもんはこの機械に車のパンフレットを記憶させ、外に出て車のほしい人をさがしていると、「ビーッ クル ペコ ペコ ペコ ペコ」と作動しだした。目標が近くなったので、「ガイドアロー」を「ヒュン」と発進すると、暗い顔をした車を買いそうでない男に当たった。

 

  その男は車がほしくて、「こんなときドライブでもしたら気分がスカーッとするだろな」と言っていたが、お金がなくて買うことができなかった。のび太から当てにならない機械だなと非難されると、ドラえもんも「お金のあるなしまではわかんないの!!」と反論している。

 

 この機械が「ペコペコペコペコ」と大きく鳴り出し、近くに車をほしがっている人を見つけた。その人は苦労して車の免許を取ったばかりの金持ちであった。早速、玉夫おじさんに連絡することにした。

 

  ネコをほしがっている人もさがすことができると教えてもらったので、捨てられたネコのところへきてみると、心配になってエサをやりにきていたしずちゃんに会った。

 

 探知機にネコを記憶させ、ネコのほしい人を探し出すと、ボロッチいアパートに住んでいる前に車をほしがっていた売れないまんが家であった。この男はネコが大好きで、「落ちこんだ時かわいいペットがいてくれれば…」と話してくれた。

 

  書いても書いても売れないが、最後のチャレンジのつもりで書いた作品を見せられた。この作品を探知機に記憶させて、マンガをほしい人をさがしに出掛けた。

 

探知機が「ペコ ペコ ペコ」と鳴り出したので、行ってみると、フニャコ先生の家から「しめ切りがとっくにすぎてるんですよ」と猛烈に腹を立てた雑誌の編集者が出てきた。

 

「まだアイディアもでてないんだって。もうだめだ!! 白いページの雑誌をださなくちゃならない」と嘆いていたので、ドラえもんは編集者に例のマンガを見てもらうことにした。

 

 編集者はひと目見るなり、「ン!?……。百年にひとりの大型新人だ。ぜひわが社の専属になってください!!」と申し出ている。ネコを世話しているしずちゃんのところへ飛んでいって、のび太はドラえもんといっしょに、「専属料もらったから、アパートをひっこしてそのネコをかってくれるって」という朗報を伝えることができた。

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