むすびの糸[★]
[初出誌] 『無題』、「小学五年生」1981年12月号、8頁、57コマ
[単行本] 『むすびの糸』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第31巻」1984年8月25日 初版第1刷発行、9頁、66コマ
[大全集] 『むすびの糸』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 10」2010年10月30日 初版第1刷発行、9頁、66コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『むすびの糸』に変更
「文字なし」コマ挿入[566(2)]
「なににひきよせられてるのかしら」コマ挿入[566(4)]
「ガ~」コマ挿入[567(2)]
「キ・キ・キーッ」コマ挿入[567(4)]
「お?」コマ挿入[567(6)]
「文字なし」コマ挿入[567(9)]
「やっぱりだめか……」、「どうせぼくなんかしずちゃんとは……」コマ挿入[567(10)]
「しずちゃん!!」、「ひどいきず……」コマ挿入[568(2)]
「さっきはごめん」、「そんなこと、もういいのよ」コマ挿入[568(4)]
[梗概] のび太は「つまんないことでけんかしたんだ。だが…、よく考えてみれば、ぼくが悪かった。あやまりにもどったけど…。ふりむいてくれない。
家に入ったら、よんでもさけんでも答えてくれない」となり、「ぼくとしずちゃんのなかは、おしまいだ」と「メソ メソ」泣き出した。ドラえもんはひみつ道具『むすびの糸』を出して、なんとかしてやると約束してくれた。
この糸をのび太にまず結び、同じ糸をしずちゃんに結びつければ、どんなにはなれていても、引き寄せられて十分間くっつくことができた。のび太はしずちゃんに会ったので、遠くから投げ縄の要領で糸を投げると、しずちゃんが手に持っていた『葉子物語』という本にひかかって「プチ」と切れてしまった。
しばらくすると、二人は見えない糸に引かれるように、引き寄せられ始めた。のび太は腹を立てているジャイアンが見えたのでストップしようとしたが、強くひかれ、ジャイアンがよそ見している間に通りぬけることができた。しずちゃんも引き寄せられ、ローラースケートをしているスネ夫に偶然会ったので、その本を返すことができた。
その本をもったスネ夫は「ガー ガー」と猛烈に滑り出し、ジャイアンを見て「キ・キ・キー」と止まると、「おもしろそうな本だな。おれにかせ」と取り上げられてしまった。ジャイアンも「お?」と引き寄せられ、のび太も加速がついた状態で、「わ! わ! わ!」とブレーキをかけたが、「ピタ」とジャイアンとくっついてしまった。
「ボカ ボカ」と殴られ、「やっぱりだめか…。どうせぼくなんか、しずちゃんとは…」と失神しそうになると、しずちゃんがやってきて、「ひどいきず…。かわいそうに。歩ける? かたにつかまって」と言われ、「さっきはごめん」、「そんなこと、もういいのよ」と会話を交わしながら家に無事つくことができた。
満身創痍ののび太は「ま、結果としてはよかったんだけどさ」とさえない表情で、ドラえもんに報告している。
[S1057・A3112・058112]