タイムカプセル [★★★]

[初出誌] 『無題』、「小学五年生」198111月号、8頁、54コマ

[単行本]  『タイムカプセル』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第26巻」1983125日 初版第1刷発行、9頁、60コマ

[大全集] 『タイムカプセル』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1020101030日 初版第1刷発行、9頁、60コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『無題』が『タイムカプセル』に変更

 「二十五年後のトーキョー」、「こら~っ、待てえっ」コマ挿入[551(1)]

 「ノビスケがいじめるよォ」が「ノビスケがいじめるよう」に変更[551(2)]

 

「二十五年後ののび太」、「のび太の息子のノビスケ」コマ挿入[551(6)]

「ゴロ ゴロ ゴロ」コマ挿入[554(4)]

「ゴロ ゴロ」コマ挿入[554(5)]

 

「部屋でゆっくり見よう」コマ挿入[556(2)]

「クスクス……」、「ウフフ……」、「アハハ……」コマ挿入[556(3)]

 

[梗概] 25年後のトーキョーで、ノビスケはジャイアンやスネ夫の息子をいじめるので、ママにつかまり、「あんたはどうしてそうわんぱくなの! 今夜パパにしかってもらいます」と言われていた。

 

 のび太は息子のノビスケに「毎日勉強をせず、いたずらばかりして!! だから成績もあがらんのだ。そんなことでは、ろくなおとなになれないぞ」と説教している。すると、ノビスケから「じゃ、パパは子どものころ成績がよかったの?」とギクリとするような質問を受けた。

 

  のび太は「も、もちろん、テストはいつも百点だぞ」と言って、ひみつ道具『タイムカプセル』にしまっておいた証拠の百点のテストをノビスケに見せている。のび太は「一ぺんだけもののはずみで百点とったんだ。しまっておいてよかった」と冷や汗を流しながら、昔を述懐している。

 

  ノビスケは百点のテストの入ったケースを押し入れから出し、中を点検すると宝の地図らしき物が出てきた。千年杉という言葉が出ていたので、情報センターに問い質すと、ヒルトップマンションが建っている辺りだと教えてくれた。

 

  地図を見ながら、あの辺がパパの通ってた学校で、千年杉はこっちだなと、推定しながら、ひみつ道具『メカモグラ』で掘ると、何か「タイムカプセル」的なものを掘り当てることができた。

 

 ノビスケが「ゴロ ゴロ ゴロ ゴロ」と自宅のマンションに転がして持ってくると、パパは以前にどっかで見たことのあるものだと思った。そこへ、二十五年前ののび太がドラえもんといっしょに、「タイムマシン」でやってきた。

 

  そして、のび太やドラえもんから「ところであれみた? まだほりだしていないの?」と問われたので、のび太パパは「あ~っ。思い出した!!」と右拳で左掌を叩いていた。

 

 二十五年前に、物置を掃除していたら、幼稚園のころ書いたり、作ったりした懐かしい物が次から次へと出てきた。のび太が懐かしさのあまりジーンとしたので、「いまのものをいろいろしまっといて、大人になってからとりだせるせるような」ものはないかと、ドラえもんに尋ねると、ひみつ道具『タイムカプセル』を出してくれた。

 

  このカプセルはなんでも新しいままで保存でき、例えば、アイスクリームだって一万年もしまっておけるものである。

 

 のび太は「毎日たべるインスタントラーメン。自作のまんが。ママのこごととパパのねごとをとったテープ。三日だけつけた今年の日記」のほかに、どうせ自分が掘り出すものと思って、たくさんの0点の答案を入れて、千年杉の根元に「タイムカプセル」と埋め、二十五年たったら掘りだそうと思った。

 

 のび太は忘れっぽいから地図を書いておいた。「ほりだしたとき、どんな気持ちだろ。なつかしくてなつかしくて、涙ぐんじゃうかもね」と話し合ったことを思い出し、パパは「ああっしまった」と叫び、真っ赤になって「よけいなことしてくれちゃって!!」とふたりに抗議していた。

 

  かたわらでは、ノビスケがたくさんの0点の答案を見つけ、勝ち誇って笑い転げていた。

[S1056A2618058111]