恐竜さん日本へどうぞ [★★★]
[初出誌] 『恐竜たちに「招待錠」を』、「小学五年生」1981年8月号、19頁、115コマ
[単行本] 『恐竜さん日本へどうぞ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第31巻」1984年8月25日 初版第1刷発行、22頁、125コマ
[大全集] 『恐竜さん日本へどうぞ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 10」2010年10月30日 初版第1刷発行、22頁、125コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『恐竜たちに「招待錠」を』が『恐竜さん日本へどうぞ』に変更
「あの人はかならずここへやってくる」コマ挿入[514(8)]
「…………………」コマ挿入[515(5)]
「中国の恐竜たち」、「大昔の中国から大昔の日本へきてもらうの」、「それはすばらしい思いつきだ!!」コマ削除[49(3)]
「日本にも恐竜がいたことになって」、「化石がでてくるよ」コマ削除[49(4)]
「半分をこっちへ残して、タイムマシンで大昔の中国へ持っていって…………」、「半分のカケラ」コマ挿入[516(6)]
「恐竜たちにくばるんだよ」、「すごい思いつき!!」コマ挿入[516(7)]
「恐竜たちが大むかしの日本へわたってきてすみつけば…………」、「日本にも恐竜がいたことになって、化石が出るよ!!」コマ挿入[516(8)]
「日本にも外国に負けない恐竜博物館ができるぞ!!」コマ挿入[517(1)]
「一億三千七百年前」が「一億三千七百万年前」に変更[518(1)]
「ゴボ ゴボ」、「ん?なんだ!?」コマ挿入[519(7)]
「みとれていないで、わたさなくちゃ」、「あ、そうか」コマ挿入[524(2)]
「文字なし」コマ挿入[524(3)]
「グ・グー」コマ挿入[526(4)]
「みんな、ぼくの部屋をめざしているんだね」コマ挿入[527(2)]
「文字なし」コマ挿入[529(3)]
[梗概] のび太とドラえもんはパパと一緒に、科学博物館の「中国恐竜展」で、翼竜の一種であるズンガリプテルス、アジアで発見されたもっとも完全な剣竜の化石であるトウジャンサウルス、体長二十二メートル、体重五十トン以上のマメンチサウルスなどを見学することができた。
次の日の放課後、しずちゃんにうちへこない、くわしく話してあげると伝えると、「宿題をすまして、ピアノのおけいこしてからいくわ」という返事であった。そこへスネ夫が「パパがアメリカで恐竜の卵の化石をかってきたんだ。本物だぜ」としずちゃんに誘いをかけていた。
しずちゃんがスネ夫のほうへ行ってしまうとドラえもんに訴えると、ひみつ道具『招待錠』を出してくれた。この錠剤を半分に割り、半分はお客を呼びたい場所に置き、あとの半分はお客さんに飲んでもらうものである。
これを使えばどんなお客さんでも呼べることがわかったので、半分をこっちに残して、半分はタイムマシンで大昔の中国へもっていって、恐竜に配る計画を思いついた。この「招待錠」は時間を超えて働くので、半分を大昔の日本へもっていく必要性はなかった。
ドラえもんとのび太はタイムマシンで一億三千七百万年前、ジュラ紀と白亜紀の境目あたりの中国大陸へやってきた。化石の発掘分布地図を頼りに、「どこでもドア」を使って恐竜を探すことにした。
山東省ではチンタオサウルス、四川省ではトウジャンサウルス、その他の省ではズンガリプテルス、肉食怪獣のユンチュアノサウルス、絶対欠かすことのできないマメンチサウルスに次々と招待錠を与えることができた。多くの恐竜はのび太の部屋をめざして、長い長い旅に向けて移動を開始しだした。
帰りがけに「どこでもドア」で、恐竜のたどり着く当時の日本へ立ち寄ってみることにした。すると、陸はなく、東京なんかは海の底であり、現在のような日本列島ができたのはず~っとあとであることに気づいた。はるばる日本へやってくる恐竜たちは招待錠の力にはさからえないから、海の底へ…」ということになった。
「わ~ん、たいへんなことしちゃった!! ぼくがよけいなこと考えたからだ」と泣きながら、タイムマシンで帰ってきた。のび太が家でショボンとして泣いていると、ドラえもんが部屋には、招待錠のかけらがひとつもないことに気づいた。ママに尋ねると、「あんまりちらかっていたから、おそうじしました!!」という返事であった。
タイムマシンに乗って戻ってみると、招待錠が消えたので、恐竜たちが三々五々引き返していく姿をはっきりと目にすることができた。家に帰って、のび太とドラえもんは「お母さま!! おそうじしてくださってありがとう」と満面に笑みを浮かべて、感謝していた。ママは「?」の状態で、何が何だかよく理解できなかった。
こっちはよかったけれども、しずちゃんのほうがどうなったか、タケコプターで使って会いに行くと、「悪いけど…、卵の化石みにいくわ」という返事が返ってきた。
のび太がドラえもんに泣いてそのことを告げると、ドラえもんも空っぽになった招待錠のケースを見せながら、「ぜんぶ、恐竜たちにあげちゃったよ」とお手上げといった表情であった。
[S1053・A3106・058108]