歩け歩け月までも[]

[初出誌] 『月まで行ける? 「道路光線」』、「小学五年生」19814月号、8頁、46コマ

[単行本]  『歩け歩け月までも』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第26巻」1983125日 初版第1刷発行、8頁、46コマ

[大全集] 『歩け歩け月までも』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1020101030日 初版第1刷発行、8頁、46コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『月まで行ける? 「道路光線」』が『歩け歩け月までも』に変更

 「でも、道路の中ではへいきだ」が「でも、道路の中だけへいきだ」に変更[467(6)]

 「えーつ!!」が「ええつ!!」に変更[468(5)]

 

[梗概] のび太は夜中に起きだし、布団の上に腕を組みながら座り、「せっかく、この世に生まれたからには、歴史に名を残したいよ」とドラえもんに語りかけていた。例えば、「さかだちで世界一周するとか、大仏さんの手で世界一のあやとりをつくるとか」というものであった。

 

 のび太は次の朝、ねぼうし、学校に遅れそうになった。ドラえもんから「くだらないことで夜ふかしするからだ」と注意されたが、今度だけ、ひみつ道具『道路光線』で助けてもらうことにした。

 

  この道具は四次元世界に光で道路をつくり、なんでも突き抜け、一直線に学校まで行くことができる。この道路を使って、ラーメンを食べている小池さんの家を通りぬけ、雨でも道路の中だから平気で通学できたので、出欠の点呼にすべり込みセーフであった。

 

 のび太は学校から帰ると、「道路光線」を使って、月まで歩くと言い出した。彼の計画は無理のないよう、毎晩時速五キロで三時間だけ歩き、それだけ歩いたら「どこでもドア」で帰ってくるというものである。

 

  月までの三十八万キロを歩くには約七十年間かかるが、「長生きするれば、なんとかいけそうじゃないか。ぼくはやるぞ! 世界最初の徒歩月旅行者になってみせるぞ!!」とドラえもんの前で宣言している。

 

 四次元ポケットに「どこでもドア」を入れてもらって、「歴史的な第一歩だ。写真をとってよ」と催促しながら、元気に出発した。しずちゃんや夜間飛行機に手を振ったりし、「町があんなに小さくなった。みんな、のんきにねむってるだろうな」と思いながら、歩き続けた。

 

 のび太は「月が高くのぼるにつれて、この道路は垂直になるんだ!!」と気づくと、「ズル ズル ワー ワー ドシン」とアッという間に墜落し、ドラえもんから「お帰り、早かったね」と言われてしまった。

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