のび太のブラックホール[★★]
[初出誌] 『のび太のブラックホール』、「小学五年生」1981年2月号、8頁、53コマ
[単行本] 『のび太のブラックホール』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第26巻」1983年1月25日 初版第1刷発行、8頁、53コマ
[大全集] 『のび太のブラックホール』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 9」2010年8月30日 初版第1刷発行、8頁、53コマ
【初出誌vs.大全集】
「あーん」が「ああん」に変更[546(6)]
「よーい、スタート!」が「ようい、スタート!」に変更[548(3)]
[梗概] のび太は食欲もなく、パパなどから、「あれじゃ強い子になれないぞ」と言われていたが、「たべたくないもの、しょうがない」だろ、と言いながら横になっていた。ドラえもんも心配になり、ひみつ道具『ミニ・ブラックホール』を出している。
このブラックホールのかけらを「パク ゴクリ」と呑み込むと、のび太は「ムシャムシャガッガッ」と食欲が出て、アッという間にお茶碗にごはんを六杯も食べてしまった。
ドカンのある広場で、のび太がごはんを六杯も食べたと自慢すると、ジャイアンはおれなんかいつも十杯食べるというので、ふたりで食べ比べをすることになった。
のび太が家に帰ると、ドラえもんが昼寝していたので、こっそりブラックホールのかけらを「パク ゴクリ」と呑み込み、ひみつ道具『フエルミラー』で大福を、百個にして出かけた。
スネ夫のスタートの合図で、ふたりは山のような百個の大福を食べ始め出した。ジャイアンは二十六個でダウンしてしまったが、のび太は「パク パク ムシャ ムシャ」と快調に食べ、最後に残った大福をお盆から、「ガバ ガバ」と口に入れて食べ尽くしてしまった。
戦いが終わったあとも、のび太はもっと食べたいと訴えるので、しずちゃんは家に帰って、クッキーを持ってきてくれた。その間、お腹がすいて昼寝もできないと言っていたが、「フガー フガー」と大きな呼吸をするたびに、部屋の中のものを吸い込んでいた。
しずちゃんがクッキーを渡そうとしたら、部屋はしっかり片づき、「フガー」でしずちゃんまで危うく吸い込まれそうになった。「助けて!!」としずちゃんの声を聞いて、ドラえもんが部屋に入ると、ドラえもんも危うく呑み込まれそうになった。
のび太に「口を閉じろ! あのホールは、家をまるごとのみこむほどの力があるんだぞ」とかろうじて告げ、ひみつ道具「ブラックホール分解液」を飲ませてトイレに行かせることに成功した。
「ザザザーッ」とすごいトイレの音がしたので、ドラえもんの「ブラックホールは?」の問いに対して、のび太から「こなごなになって流れていった」という返事が返ってきた。ママがトイレのドアを開けると、吸い込んだもので、トイレの部屋は満杯になっていた。
[S0960・A2615・058102]