のび太救出決死探検隊[★★★]

[初出誌] 『あこがれの大冒険』、「小学五年生」198012月号、15頁、87コマ

[単行本]  『のび太救出決死探検隊』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第22巻」1981825日 初版第1刷発行、15頁、87コマ

[大全集] 『のび太救出決死探検隊』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 92010830日 初版第1刷発行、15頁、87コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『あこがれの大冒険』が『のび太救出決死探検隊』に変更

 「すみからすみまで、探検しつくされちゃって、ぼくらにはなーんにものこってない」が「すみからすみまで探検しつくされちゃって、ぼくらにはなあんにも残ってない」に変更[522(3)]

 

 「へー、のび太のラジコン機が」が「へえ、のび太のラジコン機が」に変更[522(6)]

 「おーい、まてよ」が「おうい、待てよ」に変更[523(3)]

 「これをこすのは、大へんだぞ」が「これをこわすのはたいへんだぞ」に変更[526(1)]

 

 「洋服の心配なんかする探検隊なんて、あるもんか」が「洋服の心配をする探検隊なんてあるもんか」に変更[526(6)]

 

[梗概] のび太は「スモールライト」で小さくなって、ラジコン飛行機を乗り回していたら、エンジンの調子がおかしくなって、学校の裏山のあたりに不時着陸してしまった。その頃、スネ夫はジャイアンに「底知れぬジャングル、鳥もこせない高い山、南極に北極、世界は魔境や秘境でいっぱいだった。

 

  それなのに、いまはどうだ。すみからすみまで探検しつくされちゃって、ぼくらにはなあんにものこっていない」と嘆いていた。二人が外に出て、「つまんない世の中に、生まれたもんだぜ」と言いながら歩いていると、学校の裏山へ走っていく、ドラえもんを目にすることができた。

 

 スネ夫とジャイアンはのび太のラジコン飛行機の話を聞いて、ドラえもんを呼び止め、しずちゃんを誘って、のび太救出決死探検隊に加わると言い出した。そして、ドラえもんにひみつ道具『ガリバートンネル』を出してもらい、小さくなって、探検に出掛けることにした。

 

 小さくなると、草原がまるでジャングルみたいになり、「ドン ドコドン ドドドン ドン」と音が聞こえてくると、スネ夫は「ふせろ! 人食い人種のたいこだ」と命じている。すると、しずちゃんが「あれは学校でドラムを練習してるのよ」とあっさり言うので、ジャイアンなどは「もう! 女なんて…」と不満タラタラであった。

 

 目の前の絶壁に対して、ドラえもんが「ビッグライト」や「タケコプター」を出すと、冒険の意味がなくなると言われ、便利なものは持っていかないで前進することになった。しずちゃんが「お洋服よごすと叱られるんだけど」と訴えると、スネ夫は「洋服の心配をする探検隊なんてあるもののか」と嘆いている。

 

 ミミズを見ると大蛇に見え、トカゲに追い掛けられたときは、恐竜に見えたので、ドラえもんがひみつ道具『空気砲』で「ドカン」と追い払っている。目の前の池は湖に見え、いかだのかわりに落ちていたくつに乗って横断しようとしたら、途中から水が入ってきて、かろうじて渡りきることができた。

 

 道に迷っていたら、突然「ザア ザ ザア」と激しく雨が降っ出した。雨宿りするところがなかったので、ドラえもんはひみつ道具『キャンピングカプセル』を取り出し、しばらく休んだり、シャワーを浴びたりしていると、スネ夫がキャンピングカプセルの窓から、近くに煙が上っているのを発見した。

 

 煙の上っている方へ走っていくと、「ガサガサ」と音のしたあと、ドブネズミが飛び出してきたので、ドラえもんは気絶してしまい、ジャイアンがドラえもんの空気砲を使って、「ドカン」とひとまず追い払うことができた。

 

  その後も、執拗に追い掛けられて、空気砲のエネルギーもなくなり、みんなは崖っぷちまで追い詰められ、さらに、崖下に転落してしまった。

 

 そこには、不時着したラジコンに乗ったのび太がいて、「なにやってんだ?」と不思議そうに見ていた。ドラえもんはひみつ道具『タイムふろしき』をラジコンにかぶせ、「ザザッ」と追い掛けてきたネズミをかわして、かろうじてラジコン飛行機に乗って脱出することができた。

 

  飛行機に乗って、みんなは「ほんとに大冒険だったね」と笑顔で確認しあった。

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