大人をしかる腕章[★★]
[初出誌] 『大人をしかる腕章』、「小学五年生」1980年10月号、8頁、50コマ
[単行本] 『大人をしかる腕章』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第33巻」1985年4月25日 初版第1刷発行、8頁、50コマ
[大全集] 『大人をしかる腕章』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 9」2010年8月30日 初版第1刷発行、8頁、50コマ
【初出誌vs.大全集】
変更なし
【単行本vs.大全集】
「ぼくのかってでしょ」が「のび太のかってでしょ」に変更[510(2)]
[梗概] のび太が家の前の道路掃除を終えると、ひとりの男性が道路に「ポイ」とタバコを投げ捨てたので、注意すると、「子どものくせに、大人に注意するのか。なまいきだ、こどものくせに!!」と怒鳴られてしまった。
のび太が「子どもだろうが大人だろうが、悪いことは悪いと思うんだ」と涙を流しながら訴えると、ドラえもんはひみつ道具『大人をしかる腕章』を出してくれた。
この紋章をはめ、出掛けると、さっきのおじさんがまたタバコの「ポイ」捨てをしたので、「い、い、いけないと思うな」と注意すると、おじさんは道路に正座して、「わしが悪かった。もうすてないから、ゆるしてください」と謝ることになった。
バス停で割り込みをした町の二人の不良に注意し、「すみません。もうわりこみはしませんから、かんべんなすって」と頭をさげているのを見て、しずちゃんから「のび太さんて勇気があるのね」とほめられた。
スネ夫に「いやなことがあると、子どもにやつあたりしておこる」大人をしかってほしいと頼まれた。その大人とはスネ夫のママであったが、「子どもにやつあたりするのはよくないと思うけど…」と注意すると、ママは涙を流しながら「やつあたりはもうしません」と誓っている。
ジャイアンから「おれが悪いことすると、おこるんだ」と言いながら、かあちゃんをしかってくれよと頼まれたので、のび太が「悪いことしておこられるの、あたりまえだろ」と注意すると、すごい顔でにらまれてしまった。
かあちゃんから「もうどんな悪いことをしても、しからないからね」と言われたので、ジャイアンはのび太を「心の友よ!!」と抱きしめている。
のび太が家に帰ると、ママから「宿題もしないで!」、「ぼくのかってでしょ。ひるねする」、「おすきなように」となったので、ドラえもんが「ほ~ら、ろくでもないことはじめた。返せっ」とと怒鳴りながら、のび太を押さえつけると、のび太が「ママー、なんとかしなさいっ!」と助けを求めると、ママはドラえもんのひげをつかんで、別の部屋へ連れて行ってしまった。
ジャイアンが「もうなにしてもかあちゃんに、叱られる心配はないんだ」と、スネ夫、安雄、はる夫に前よりも乱暴に暴力をふるうようになったので、のび太が注意すると、この腕章は子どもには効かないことが判明した。
満身創痍ののび太が「はじめはいいことしようと思うのに…、いつもこうなっちゃうのはなぜかしら」と問い質しても、腹を立てたドラえもんはのび太に背を向けて、「ぼくにきかれてもしらないね」ときっぱり拒絶している。
[S0956・A3306・058010]