ビョードーばくだん[★★]
[初出誌] 『ビョードー爆弾』、「小学五年生」1980年9月号、8頁、54コマ
[単行本] 『ビョードーばくだん』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第26巻」1983年1月25日 初版第1刷発行、8頁、54コマ
[大全集] 『ビョードーばくだん』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 9」2010年8月30日 初版第1刷発行、8頁、54コマ
【初出誌vs.大全集】
「わーっ、ねすぎた」が「わあっ、寝すぎた」に変更[499(5)]
「おかしいのよねー」が「おかしいのよねえ」に変更[503(3)]
[梗概] のび太は「勉強したって、どうせわからないし、野球はへたくそで、ジャイアンに殴られるし、ぼくがなにかすると、きっとずっこけるんだ。不公平なんだよ。生まれつき頭がよかったり悪かったり、力が強かったり弱かったり、こんなのひどいと思わないか!?」と立ち上がって、ドラえもんに訴えていた。
ドラえもんは気が進まないと言いながら、ひみつ道具『ビョードーばくだん』を取り出した。のび太を標準にして、爆発させるとその灰を被った人は、みんなのび太並みになるというものである。
のび太の爪のあかを煎じて、その汁を爆弾に詰め、発射台にセットし、「ポコ パカ」と発射し、空中で爆発させると、灰が降ってきた。効き目があすになると出てくるので、ひと晩グッスリ眠った。学校に遅れるので、のび太はパンを口にくわえて家を出ると、しずちゃんまで「遅刻だ遅刻だ」と急いでいた。
先生まで遅刻をし、先生が宿題を忘れたものは廊下に立ってなさいと告げると、全員廊下に「ゾロ ゾロ」と出たので、授業にならんと嘆いていた。
先生が算数の問題を出すと、とけるこどもはひとりもいない上、先生もわしにもとけんとギブアップしている。体育の時間に競争しても全員同じ速さであり、下校時にのび太が溝に落ちると、仲間もみんな同じように落ちている。
ジャイアンが「腹がたつから、一ぱつなぐらせろ」と「ボカ」とのび太をなぐると、のび太も「ボカ」と殴り返し、しばらく互角の戦いが続いた。ジャイアンが「どうしても勝負がつかない、ハーハー」と息切れすると、のび太も同じスタイルで地面に手をついて「もういばるなよ」というのが精一杯であった。
家に帰って、テレビを見ていると、アナウンサーが「きょうの国会は議員のいねむりが多く、ついに…、え~、これ、なんて字だっけ。やめた!!」と画面から消えてしまった。パパもはやく会社から帰り、「めんどくさくなってね、みんなでしばらく休もうと…」と言いながら昼寝を始め出した。
ママも夜遅く帰り、「おかしいのよねえ、道がわかんなくなっちゃって」と答え、食事のことを聞かれると、「いやーだ、お夕食のおつかいもの、どっかへ忘れてきたわ」と頼りない返事であった。
のび太が「まずいよ、やっぱりもとにもどしてよ」と、強引にドラえもんに頼むと、「え~と、もとにもどす方法は…」と目の焦点も定まらず、しきりに小首を傾げていた。
[S0955・A2607・058009]