宝星 [★★]

[初出誌] 『無題』、「小学五年生」19806月号、19頁、118コマ

[単行本]  宝星』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第44巻」1993525日 初版第1刷発行、21頁、129コマ

[大全集] 『宝星』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 92010830日 初版第1刷発行、21頁、129コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『無題』が『宝星』に変更

 「重力が低いから、とびおりてもだいじょうぶ」が「重力が小さいから、飛びおりてもだいじょうぶ」に変更[467(3)]

 「雲の層が厚いね」コマ挿入[467(4)]

 

 「おぼれるう」が「ザブ~ン」に変更[468(1)]

「アップアップおぼれ……」コマ挿入[468(2)]

「プウン」挿入[468(3)]

「ボオ~」、「おもちゃかしら……」コマ挿入[469(1)]

 

「ザック ザック」、「どんな宝だろう金貨かな宝石かな」コマ挿入[470(2)]

「あーっひょっとして…」が「あーっひょっとして……、掘ってる時キラキラ光るほこりが飛びちったけど……」に変更[470(4)]

 

「掘ってるさい中に、キラキラ光るほこりが、とびちったけど…」、「あれが小人の宝物!?」が「あれが小人の宝物かも……」、「あんな物地球にもって帰ってもなーんにもならない」に変更[470(5)]

「あんなの地球にもってかえっても、なんにもならない」コマ削除[245(6)]

 

「カチーン」コマ挿入[475(4)]

「手ごたえがあった!!」「こんどこそ掘りあてたぞ!!」コマ挿入[475(5)]

「金貨かな、宝石かな」「ザック ザック ザック」コマ挿入[475(6)]

「なんか大さわぎしてるよ」コマ挿入[476(1)]

 

「ほんやくこんにゃく」コマ挿入[476(2)]

「そういうやつなんだよ、のび太は」が「うそつきのび太、ホラふきのび太」に変更[476(5)]

「こないだの星へ!」コマ挿入[476(8)]

 

「洞穴がほしいんだけど」、「住みごこちのいいながめのいい…」、「お金はいくらでもはらうから」コマ挿入[477(1)]

「みんなで注文どおりの大洞穴を掘ってくれるって!」コマ挿入[477(2)]

 

[梗概] 学校の裏山から宝が出たというテレビニュースを見て、のび太はタタミをたたいて「またひとつチャンスが消えた~」とくやしがっていた。

 

  のび太は「うまっている宝をほりだすのはぼくの一生の夢なんだ。…それなのにこうどんどん発見されたらぼくのぶんがなくなっちゃうよ。もうぼくの人生にはなんの夢も残されていない」とオーバーにドラえもんに嘆いていた。

 

  ドラえもんも「まずしい夢だなあ。…じゃあまあ…」と言いながら、ひみつ道具『宝星探査ロケット』を出して打ち上げている。

 

  このロケットは財宝探知レーダーを付けているけれども、「ロケットの通り道に宝がないとだめなんだ。宇宙は広いからね。宝くじよりもっとあたりにくんだから」とのび太に説明している。ブザーが鳴るまで外にでかけると、ジャイアンとスネ夫は学校のうら山を目指していた。

 

のび太も手伝えて言われたが、「話が小さいよ。ぼくなんか宇宙の宝を探しているんだ」といってふたりと別れている。しずちゃんに「プールとテニスコートつきの家を建てようと思うんだ」と話すと、しずちゃんから「それよりこないだの電話代十円返して」と催促されてしまった。

 

 ドラえもんから「宝くじよりあてにならないとか、宝さがしに夢中になってロケットを何千本も打ち上げて財産をなくした話」を聞いていたら、「ビーッビーッビーッビーッ」とブザーが鳴り出した。

 

そして、真っ先にガツガツ行動を起こしたのはドラえもんであった。宇宙空間には空気がないので、帆掛け船のようなもので出航し、反重力エンジンを始動させ、アッというまに地球から遠ざかり、アンドロメダ星雲の右どなりを目指した。

 

ドラえもんたちはワープを繰り返し、目的地に近づいたので光子エンジンに切り替え、ひみつ道具『内用宇宙服』を食べて、宝星の着陸にそなえた。

 

 わりと小さな星で、一面雲に包まれ、重力も小さいから飛び下りてもだいじょうぶと確信して、「ザブ~ン」と海に落下したが、とても浅い海であった。ドラえもんは宝島を探知機で「ピーッピーッ ピーッ」と探ると、ロケットの落ちているところを素早く見つけることができた。

 

 「きっと小人の海賊が無人島にうめたんだ。どんな宝だろう金貨かな宝石かな」と二人はワクワクしながら掘っていると、アッという間に無人島がなくなってしまった。つまり、小人の宝物は掘っているとキラキラ光るホコリのような代物であった。二人は「あーあとんだむだ骨折り。家で昼寝してたほうがよかった」と嘆くばかりであった。

 

 しずちゃんに「約束守れなくてごめん」と謝ると、「なんの話?」、「ほら、プールとテニスコート」、「あてもしないわ。のび太さんのいうことだもの」と言われてしまった。再度報知ブザーが鳴ったので、その星の宝物を探しに出掛けた。その星で大きな金の円盤を発見したので、億万長者になったと思い、地球に持って帰ろうと決めた。

 

  すると、大きな宇宙人から「こらあどろぼう」と怒鳴られ、ほうほうの態で帰ってきてしまった。二人は「もう宝さがしはこりごりさ。もう二度といかないぞ」と心に誓うのであった。

 

 三度目のブザーが鳴ってもふたりはあまり行く気がしなかったけれども、行ってみると、地球と同じくらいの星であった。ロケットの落ちた当たりをふたりでスコップを使って掘っていたら、「ガチーン」と音がし、手応えを感じることができた。

 

  「ザックザックザック」と掘ると石貨が出てきた。この星はまだ石器時代で、「ほんやくこんにゃく」を使うと、「ぼくらはこの星で百億円ほどの宝をみつけたんだって」ということがわかった。

 

 スネ夫やジャイアンから「プールにテニスコートつきだって、うそつきのび太ホラふきのび太」とからかわれた。のび太はドラえもんにあのお金を使おうと言いながら、「どこでもドア」でこないだの星にでかけた。

 

  「洞穴がほしいんだけど。住みごこちのいいながめのいい…。お金はいくらでもはらうから」と頼んでみると、「みんなで注文どおりの大洞穴を掘ってくれるって!」となった。

 

のび太はみんなにプールつきの家を建てたので、どこでもドアでその星に案内した。ジャイアン、スネ夫、しずちゃんが大洞穴の前のプールで泳いでいる時、ドラえもんは紅茶を飲みながらどら焼きを三つ食べ、のび太は石器時代の人々に「テニスコートをあのへんに作ってよ」と設計図をもって案内していた。

[S0952A4420058006]