人よけジャイロ[★★]

[初出誌] 『人よけジャイロ』、「小学五年生」19798月号、8頁、52コマ

[単行本]  人よけジャイロ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第19巻」1980725日 初版第1刷発行、8頁、52コマ

[大全集] 『人よけジャイロ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 82010630日 初版第1刷発行、8頁、52コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「だーれもおもわない」が「だあれも思わない」に変更[423(9)]

 「ほかにだーれもいないんだよ」が「ほかにだあれもいないんだよ」に変更[425(2)]

 

[梗概] 野比家はあす箱毛山へ行く予定であった。スネ夫が先週の日曜日、箱毛山へ一家で行ったが、車は動かない、電車はすし詰め、ロープウエーは長蛇の列、ひと休みするにも腰を下ろすところさえないんだと話した。それを聞いたのび太のパパはあすは中止にして、「ゴロ ゴロ」家で寝るという結論を下してしまった。

 

 やけになって泣いているのび太を見て、ドラえもんはひみつ道具『人よけジャイロ』を出している。そして、近所の地図を出し、野比家の上で「人よけジャイロ」を「ブルーン ブルーン」と回した。

 

 のび太もママもパパも何となく家にいたくなり、雨が降ってきたのに、なぜか家に入る気がしなくて、外で立ち尽くしていた。ドラえもんが「カチ」とスイッチを切ると、雨にぬれた野比家の全員が部屋に戻ってきた。

 

 ドラえもんが時間をセットして、箱毛山の地図の上でジャイロを回したので、あしただあれも箱毛山へ行こうなんて思わなくなった。翌朝、のび太は「箱毛山に行くぞ」と、ドラえもんに声を掛けられたが、ジャイロの電波を受けていたので、行く気は全く起こらなかった。

 

 ドラえもんがジャイロのバッジを付けると、のび太は大喜びで行くと叫んでいる。しずちゃんを誘って、「どこでもドア」を使って行くと、箱毛山は「シ~ン」と静まりかえっていた。

 

 のび太は山を登り始めて、すぐに「タケコプター」と使いたいと言い出したので、ドラえもんは四次元ポケットをはずして隠し、ひみつ道具を使えなくしている。ロープウエーに乗ろうとしたら、従業員もいなくて完全にストップしていた。

 

 のび太が「帰ろうよ」と言うので、ドラえもんは「足は、なんのためについてると思う」と励ましながら、近道を登っていた。

 

 道に迷って、だれか助けてえと叫んでも、ジャイロ電波のため、誰も助けに来てくれそうもなかった。家で、のび太のママが掃除機を、「コツン」とジャイロにぶつけてしまったので、ジャイロは倒れてしまった。地図の上に立て直すと、ジャイロが「ブルーン」と回り出し、箱毛山は「ギッシリ」と人で埋まってしまった。

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