ねむれぬ夜に砂男[★★★]

[初出誌] 『無題』、「小学五年生」197812月号、8頁、46コマ

[単行本]  『ねむれぬ夜に砂男』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第18巻」1980125日 初版第1刷発行、8頁、48コマ

[大全集] 『ねむれぬ夜に砂男』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 72010428日 初版第1刷発行、8頁、48コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『無題』が『ねむれぬ夜に砂男』に変更

 「へえー」が「へええ」に変更[415(9)]

 「ねむれないってほんっとに苦しいもんですよね」が「ねむれないってほんとうにくるしいもんですよね」に変更[415(10)]

 

 「ひとーつ」、「ふたーつ」、「みーっつ」が「ひとおつ」、「ふたあつ」、「みいっつ」に変更[417(3)]

 「あーっ」が「ああっ」に変更[417(7)]

 「死んだ人さえねむらせるという、「強力さいみん砂」をかけてくれる」、「それならききそうだねえ」コマ挿入[418(3)]

 

「強力さいみん砂だよ」が「それいけ!!」に変更[418(4)]

「こんどこそ、そろそろ……」、「ぜーんぜん」が「どう?こんどこそ、そろそろ……」、「ぜえんぜん」に変更[418(5)]

「ドサッ ドサッ」コマ挿入[418(8)]

 

[梗概] のび太は夜になっても眠れないので、ドラえもんになんとかしてと頼むと、「ひるねのしすぎだ。おやすみ」と言って寝てしまった。眠れないので、「そのへんをぶらついて、ひとりもの思いにふけろう。……、死んだようにねむる夜の町…、ぼくの足音だけがむなしくこだまする。

 

  このムード、悪くないね」と、「コツ コツ」歩いていると、もの思いにふけるにはふさわしい土管のある広場にやってきた。

 

 土管に腰を下ろして、「おしりのおでき、大きくならなきゃいいがな…。いや、こういうテーマは、感心しない。国際情勢の動きとか、その中にあって日本がはたすべき役わりとか…、ぼくにそんなことわかるかよ。ばか!」と、いろいろな考えを巡らしていた。

 

  のび太が「ううさむい! オーバーきてくりゃよかった。ハクション」とクシャミすると、土管の中でもクシャミする人がいた。

 

 ドラえもんが「こんな夜中になにしてんだ、カゼをひくぞ」と呼びに来てくれたので、のび太は十日間も寝ていない不眠症の男を紹介している。

 

  すると、ひみつ道具『さいみん機』を出し、「クルクル」回る渦巻きから目を離さないでと指示を出し、効果を添える催眠ガスと催眠音楽を併用している。しかし、ぜんぜん、眠くならないので、かなりの重症であるとわかった。

 

次に、ひみつ道具『羊とび式さいみん機』の羊を数えてもらった。1……13563と数えるとだんだん目がさえてきてしまった。その男は話しかけられたので、数えていた数字がわからなくなってしまったと喚きだした。

 

 最後に、ヨーロッパの伝説に砂男が目に砂をかけると眠くなるというアイディアを実現したひみつ道具『砂男式さいみん機』を取り出した。このロボットは死んだ人さえねむらせるという「強力さいみん」をかけてくれる。

 

  「パッ パッ」と砂をかけても眠れないので、「ドサッ ドサッ」ともっと大量に砂をかけることにした。すると、のび太やドラえもんが「グウ グウ」眠りだしてしまった。

 

 あまりにも大量の砂をかけられたので、眠れない人は「苦しい。たすけてくれえ」と叫びだした。すると、おじょうさんが飛んできて、目覚めたドラえもんやのび太に「ねむりながら歩いたりしゃべったりしてるのよ。ねむれなくてこまってるゆめを見ながらね」と説明してくれた。

 

  あんぐりと口を開けているのび太のかたわらで、ドラえもんは鼻水を垂らして、思いっきり「ハクション」している。

[S0747A1818057812]