無事故でけがをした話 [★★]

[初出誌] 『タイムマシン』、「小学五年生」19781月号、8頁、48コマ

[単行本]  『無事故でけがをした話』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第22巻」1981825日 初版第1刷発行、8頁、51コマ

[大全集] 『無事故でけがをした話』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 62010330日 初版第1刷発行、8頁、51コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『タイムマシン』が『無事故でけがをした話』に変更

 「やあ、ジャイアンお礼なんかいいんだよ」、「あたりまえのことをしただけさ」コマ挿入[417(1)]

 

「し、しかし、おかげで自動車事故にあわずに…」が「し、しかし」に変更[417(2)]

「おかげでお父さんの自動車事故を…」、「あやじがいつ事故にあった」コマ挿入[417(3)]

「いや、だからあったけどあわなくてよかったねと…」コマ挿入[417(4)]

 

[梗概] のび太がしずちゃんの家に行くと、インクびんが倒れてノートを汚し、その前で、しずちゃんのママが「ウソつきは大きらいですっ。ひとりでにひっくり返るわけないでしょ。いま、うちにはあんたしかいないのよ」と厳しく叱られていた。しずちゃんも「しらないものは、しらないんだから!」と懸命に弁明していた。

 

 それを見て、のび太は「しずちゃんはウソをつく人じゃない。ぼくが犯人をつきとめて、無実のつみをはらしてあげよう」と考えながら、家に帰って、タイムマシンを使って、調べに出掛けた。

 

  しずちゃんの家の窓の下に待機していると、しずちゃんのパパが「ドタ ドタ」と走ってきて、忘れた大事な書類を取り、急いで会社に戻っていった。そのとき、机にドンとぶつかり、そのはずみでインクビンが倒れてこぼれたことを確認することができた。

 

 のび太がしずちゃんの家に行くと、まだ、ママが「どうしてすなおにあやまれないの!」と説教を続けていた。のび太は「しずちゃんは犯人じゃありません。会社のお父さんに電話してごらん」としずちゃんのママにアドバイスしている。すると、パパから「あわてていたからね。ごめん、ごめん」といった謝りの言葉が帰ってきた。

 

 ドカンのある広場で、しずちゃんはみんなに「すごい名たんていよ」と絶賛し、かたわらののび太も「なにかあったら、ぼくにたのむといいよ」と得意満面であった。タイムマシンを使ったことがドラえもんにはばれていたので、帰りしな、「やめろ! タイムマシンでたんていごっこなんかしてると、おそろしいことになるぞ」と警告された。

 

 家に帰ると、ジャイアンが「おやじが車にはねられたんだ。病院でうなってる。おれは犯人がにくいんだ。ぜひ、その車をつきとめてくれ」と涙を流しながら頼みにきた。

 

  のび太はタイムマシンで現場に行くと、ジャイアンのパパが「ボム」と車にはねられる瞬間をカメラで撮り、バッチリ番号も読み取ることができた。タイムマシンで帰る途中、警察に連絡する前に、事故が起こる前に現場に行けば、あの事故を食い止めることができるという考えが閃いた。

 

 事故発生三分前に現場に行くと、ジャイアンのパパがやってきたとき、違う方向から猛スピードの車が「ブロロオ」と突進してきた。危ないと思ったのび太がジャイアンのパパを「ボン」と突き飛ばしたので、事故にはならなかった。

 

 家に帰ってドラえもんに報告すると、ドラえもんは「ええーっ ついにやったか」と驚き、「えらいことをしてくれた。タイムマシンでかってに過去をかえることは、ゆるされないんだぞ。それに、もしやったとしてもどこかでうめあわせがついちゃうんだ」と猛烈に、のび太は叱られてしまった。

 

のび太が往来でジャイアンに会ったので、「やあ、ジャイアンお礼なんかいいんだよ。あたりまえのことしただけさ」と話しかけると、ジャイアンに「なんのうらみでおやじをつきとばしたんだ。おみやげのタイやきがだいなしだぞっ」と怒鳴られてしまった。

 

 「おかげでおとうさんの自動車事故を…」と言いかけると、「おやじがいつじこにあった」、「いや、だからあったけどあわなくてよかったねと…」と説明しても、「なにをわけのわかんないこといってやがる」と言われ、「ボカ ボカ」と殴られてしまった。

 

のび太が満身創痍で家に帰って、「やめた! ばかばかしい! も~、やめた!」と猛烈に腹を立てているのを見て、ドラえもんは「そのていどですんでよかったよ」と慰めている。

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