プラモ化カメラ[★★]

【道具解説】 ひみつ道具の『プラモ化カメラ』を使うと、なんでもプラモにすることができる。ドラえもんは二分の一のスケールで、のび太・しずちゃん・先生のプラモを作っている。さらに、クイーン・エリザベス二世号や百丈島のプラモも作っている。

 

【使用目的】 スネ夫が「クイーン・エリザベス二世号のプラモ」を作り、百丈島の四丈半島にある別荘で進水式をやると言い出した。のび太はうらやましいだけでなく、いつものようにひとりだけ仲間はずれにされてしまった。ドラえもんに泣いて訴えると「プラモ化カメラ」を出してくれた。

 

【使用結果】 のび太はふたつ(プラモと四丈半島)をうらやましいうらやましいと訴え、「なかまはずれにされたァ」とドラえもんに泣きついた。すると、ドラえもんは「泣くな、ぼくがついているじゃまいか! みじめな思いはさせないよ」と「プラモ化カメラ」を出してくれた。

 

 このカメラでのび太を「カシャ」と写し、スケールを二分の一にセットすると、のび太そっくりのプラモができあがった。図鑑に出ているクイーン・エリザベス二世号をこのカメラで写し、スネ夫のよりも大きなサイズのプラモを出すことにした。

 

 巨大なプラモであったので、ひみつ道具『ノーリツチャッチャカじょう』を二人で飲んで、「チャッチャカ チャッ チャカ」作って、スネ夫のなんか問題にならないものを作り上げることができた。

 

野比家には、船を浮かべる島の別荘がなかったので、ドラえもんがヘタな別荘と島を描き、それをカメラで撮影し、千倍のスケールの百丈島というプラモにしていた。このプラモは十二万八千六百六十個の部品からなる、世界最大のプラモであった。

 

 「チャッチャカ チャッ チャカ」作っても、明日の朝までかかりそうであった。のび太がヘトヘトになっているころ、ママから宿題をするように命じられた。あとの仕事はドラえもんに任せて、宿題を片付けてから、楽しく遊ぼうと考えていた。

 

 机に向かうと、わからないところばかりなので、つい「グウ…」といねむりを始めてしまったので、「ハッ」と気づいて、「ぼくのバカバカバカ!」と頭を叩いていた。

 

 その時、玄関で先生が、「夏休みだからだらけさせないように…」とママに話をされていたので、のび太はこのカメラで先生を写し、原寸大のプラモを作った。「こりゃすごいや。後ろに先生がいるとはかどるなあ。わかってもわからなくてもどんどん進んじゃう」となった。

 

 夕食後も、ドラえもんはやりかけた仕事が残っていたので、作業を始めた。のび太も頑張り、「先生はねむ気をさますききめもあるんだな」と感心しながら、夏休みの宿題を続けた。ドラえもんから朝だよと言われ、「ハッと目覚め、机にむかったままねちゃったんだ!!」ということに気づいた。

 

 夏休みの宿題も全部終わり出かけようとすると、ママから「ママは、うそつきは大きらいです!! 机の前をはなれたらしょうちしないから」と厳命されてしまった。

 

 「まるっきりぼくのことを信用していない」と涙を流すと、ドラえもんからも「ふだんがふだんだからね」と言われる始末であった。しかし、のび太の勉強スタイルのプラモを作って、どこでもドアから、百丈島に出かけることにした。

 

 百丈島では、木も草もプラモであり、チョウもひみつ道具『オートアクションユニット』を組み込んであるため、本物のように飛んでいた。プラモのテレビもクーラーもちゃんと働き、目の前には、スネ夫の別荘のある四丈半島を見晴らすこともできた。

 

 双眼鏡でのぞいてみると、スネ夫がコントローラーを使って、クイーン・エリザベス二世号を海に浮かべて、操作していた。ジャイアンがコントローラーを奪って、全速力で「ガ~」とすっ飛ばしたので、電波の届かないところまで行ってしまった。

 

そこへ巨大なエリザベス二世号が「ボウ~」と警笛を鳴らして近づいてきた。こんなすごいの、どこからきたんだろと噂していると、タケコプターで飛んできたのび太とドラえもんが「ぼくらのプラモだよ。競走させようか」と挑戦してきた。

 

しかし、スネ夫は「く、くだらない、ラジコン遊びなんて。せっかく海へきたんだから泳ごうや」と提案すると、ジャイアンもしずちゃんも賛成して海で泳ぐことになった。

 

 のび太が「のび太は泳げないんだ。かわいそうなもんだよな」と、楽しそうに泳いでいる三人を双眼鏡で見ているので、ドラえもんはソフトプラスチックで、手足の動くのび太のプラをも作ることにした。勝手に海で泳がせると、「ザザザー ザバア」と泳ぎまくり、しずちゃんからイルカみたいにすてきと言われている。

 

 スネ夫は「このへんは大きな魚がつれるんだよ」と言いながら、みんなでゴムボートに乗って釣りを始めだした。のび太も岸で、プラモの魚に磁石をつけ、釣り針にも磁石をつけて、次から次へと大きな魚を釣り上げていた。

 

 三人とも「あれ、あれ、あれ」と唖然とするばかりであった。最後に、のび太がクジラを釣り上げたので、三人の乗ったゴムボートも「ゴボ ゴボ ゴボ」と持ちあがり、しずちゃんなどは「もういや!!」と悲鳴をあげている。

 

 スネ夫は「のび太め! どこまでもはりあう気だな!! だがこっちにはしずちゃんがいるんだぞ」と気を取りなおした。「ね~え、しずちゃん。別荘へ帰ってディスコパーティーしない」と帰っていってしまった。

 

 ションボリしているのび太を見て、ドラえもんはタケコプターを使って、スネ夫の別荘へ行き、しずちゃんの写真を撮って帰ってきた。

 

 しずちゃんのプラモを作り、音楽をならして楽しんでいると、うらやましくなり、ジャイアンとスネ夫は腕ずくであの島をぶんどってやろうと行動を開始した。

 

 のび太が楽しくしずちゃんのプラモと踊っていると、どこでもドアから「あら! 先生! いらしてたんですか!? のび太! どうしてだまってたの!!」と怒鳴り声が聞こえてきたので、ママがお茶の準備をしている間に、こっそり先生のプラモを、どこでもドアの外に持ち出すことにした。

 

 ジャイアンとスネ夫がゴムボートから下りて別荘をぶんどろうとしたら、目の前に先生が立っていた。二人は「あっ、先生!! い、いえらんぼうなんかしません。ちょっとふざけただけ。さ、さよならあ」と一目散に逃げていった。その光景を窓から見て、のび太は「なにをあわててるんだろ?」と不思議がっていた。

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